経鼻弱毒生インフルエンザワクチン「フルミスト ®」とは
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2023年に国内の薬事承認を受け、2024年から販売開始された本ワクチンの最大の特徴は、注射ではなく鼻腔からのミスト噴霧による接種という点です。
このため特にお子様の注射接種に伴いがちな痛み・不安といったストレスの低減が期待されます。
本剤は弱毒生ワクチンという病原性を弱めたインフルエンザウイルスを接種することで野生株に対する免疫能を獲得するものです。
本剤に含まれるインフルエンザウイルスは増殖に適した温度が野生株よりも低くく、37℃前後では増殖しにくいため病原性が弱いという特性があります。
接種後に鼻粘膜で分泌型IgA抗体の産生誘導がなされることが本剤の特徴の一つで、発症予防効果を期待し得ます。
またこのIgA抗体には交差防御効果という特性があり、幅広いウイルス株に対する防御効果も期待し得るところです。
一方デメリットとして効果は若年層に限られる、接種後にしばしば風邪症状が出現するといった点などが挙げられています。