花粉症|芦屋市の内科 あしやサニークリニック内科
花粉症は、スギやヒノキをはじめとする植物の花粉が原因となるアレルギー疾患で、日本では年々患者数が増加しています。
症状が軽いうちは日常生活に大きな影響はありませんが、重症化すると睡眠障害や集中力の低下を引き起こし、仕事や学業のパフォーマンスを損なうことがあります。
また、喘息やアトピー性皮膚炎を持つ方は、花粉症によって症状が悪化することもあります。
治療薬の選択肢が多く、画一的な治療は満足度が低い結果になりがちです。
当クリニックでは一人ひとりの生活環境や症状に応じた最適な治療を提供し、日常生活の質が向上するよう心がけています。
本稿は原則的に「鼻アレルギー診療ガイドライン」に基づいて記載していますが、非医療者向けページとして学問的正確性よりも理解しやすさを優先した表現を用いています。
最初にまとめ
原因
代表的な花粉症の原因として以下のようなものがあります。
花粉症の原因
病態
病態を知ると自分に必要な治療が見えてきます。
感作(アレルギー反応の準備)
花粉症には『感作』と呼ばれる準備段階があります。
スギでは約50%の人が感作され、そのうち約50%の人が発症します。
感作
花粉の体内への侵入
↓
IgE抗体が産生される
↓
IgE抗体は肥満細胞と結合して粘膜で待機
アレルギー反応
感作の後、花粉にさらされるとアレルギー反応が発生し、花粉症の症状を引き起こします。
アレルギー反応
花粉への暴露
↓
花粉とIgE抗体が結合
↓
肥満細胞が活性化
↓
ヒスタミンやロイコトリエンなどの
ケミカルメディエーターが放出
症状
鼻の症状
目の症状
その他の症状
適切なお薬を選択するうえで、特に鼻の症状・目の症状をしっかりと把握しましょう。
特に「鼻づまり」の有無はポイントになります。
治療
花粉症には『感作』と呼ばれる準備段階があります。
スギでは約50%の人が感作され、そのうち約50%の人が発症します。
標準的な治療と補助的な治療
標準的治療は優先すべき治療で、それだけでは不十分な時に上乗せするのが補助的治療です。
補助的治療は有効性と引き換えに副作用のリスクがあるため漫然とは行わず、医師による適正な副作用チェックの元での使用が推奨されます。
舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)
花粉症では感作を経てアレルギーの引き金が引かれやすくなっています。
これまでの治療引き金が引かれて起こる各種症状を抑制しようとするものであるのに対して、舌下免疫療法は引き金を引かれにくくしようとするものです。
など、ややハードルは高めですが、1年の1/4を煩わしい症状で過ごすのを毎年繰り返すくらいならトライする価値はあるように思われます。
治療開始は花粉症シーズン後からで、翌シーズンには症状の改善を自覚される方もしばしば見受けられます。
具体的な用法は以下のようになっています。
よくあるご質問(FAQ)
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみが長引く場合は花粉症の可能性があります。ただし、風邪や他のアレルギー疾患と区別がつきにくいこともあるため、確実な診断のためには受診をおすすめします。
進行の速さには個人差がありますが、基本的に対策をしなければ自然に改善することはほとんどありません。
近年、このトピックについての見解は流動的ですが、
・症状が出始め次第
・花粉の飛散が始まり次第
といったあたりが主流になっており、以前提唱されていた「花粉シーズン前から」といった意見は古い見解になりつつあるようです。
市販品にも処方薬とほぼ同一の製品があり、こういった製品の効果はほぼ同じと考えていいでしょう。
ただし症状にあった製品を的確に選ぶ必要があるのと、製品によっては副作用の観点から漫然と継続すべきではない成分が含まれているものもあり、薬剤の選択・副作用への配慮などの点からは受診&処方をお勧めしたいところです。
はい、眠気の少ない第2世代抗ヒスタミン薬があります。お仕事や勉強に支障が出にくい薬を選ぶことができますので、診察時にご相談ください。
眠くならない薬ほど効かないということもありません。
花粉症の根本的な改善を目指す治療法です。体を徐々に花粉に慣れさせることで、アレルギー反応を軽減する効果が期待できます。
開始できるのはスギ花粉シーズンが終わってからなので、興味のある方はシーズン後にご相談ください。
重症化すると頭痛、倦怠感、集中力の低下、睡眠不足などが起こり、仕事や学業に影響を及ぼすことがあります。
また喘息やアトピー性皮膚炎の悪化にもつながることがあるため、適切な治療が重要です。