高血圧|芦屋市の内科 あしやサニークリニック内科

高血圧は言うまでもなく「血圧が高い状態」ですが、何が問題なのでしょうか? 最も身近な生活習慣病でありながら「サイレントキラー」とも称される高血圧について、「なぜ治療が必要なのか」を軸にわかりやすく説明します。

最初にまとめ

目次

高血圧の診断基準|家庭血圧と診察室血圧の違い

診断基準には、家庭血圧と診察室血圧の2つがあります。

家庭血圧

  • 135/85mmHg 以上

診察室血圧

  • 140/90mmHg 以上

家庭血圧は135/85mmHg以上、診察室血圧は140/90mmHg以上で高血圧と診断されます。
一般的に診察室血圧は家庭血圧より約5mmHg高くなる傾向がありますが、個人差が大きく、20mmHg以上の差が見られることもあります。

高血圧治療ガイドライン2019では、健康診断や診察で血圧の高さを指摘された場合、まずは家庭血圧の測定を推奨しています。
当院でもガイドラインに沿い、すぐに薬を処方するのではなく、まずは正確な測定を行い、必要な治療を判断します。

家庭血圧の測定法

  • 起床1時間後以内
  • 排尿・排便を済ませてから
  • 食事を取ったり薬を服用したりする前
  • 着席して3〜5分してから
  • 2回計測して平均値を記録

簡単に言えば、『朝起きて、排尿後に測る』ということになります。

高血圧の原因と生活習慣の影響

高血圧の原因には、加齢や遺伝など避けられない要因に加え、生活習慣や特定の疾患が関与します。
これらのリスクを理解し、適切に管理することが重要です。

避けられない要因

  • 加齢
  • 遺伝的要因
  • 他の病気(内分泌疾患・睡眠時無呼吸症候群・腎疾患など)

生活習慣の影響

  • 塩分の摂りすぎ
  • 運動不足
  • 肥満
  • 喫煙・過剰な飲酒
  • 慢性的なストレス

特定の疾患

  • 甲状腺機能亢進症
  • 褐色細胞腫
  • クッシング症候群
  • 原発性アルドステロン症
  • 腎血管性高血圧
  • 睡眠時無呼吸症候群

高血圧の合併症|脳卒中・心筋梗塞のリスクを防ぐには

年余にわたる圧ストレスは全身の血管にダメージを与え、生命や日常生活の質を損なう合併症のリスクを上昇させます

高血圧の治療法|生活習慣改善と降圧薬の選び方

高血圧を治療する理由|合併症リスクを減らすために

高血圧の治療は、合併症のリスクを減らすことが目的です。
「薬を飲んでも実感がない」と思う方もいますが、血圧を適切に管理することで、脳卒中や心筋梗塞のリスクを大幅に下げられます。
このため、早期からの治療が重要です

降圧目標|年齢や疾患に応じた血圧コントロールの基準

脳卒中や心筋梗塞などの合併症リスクを減らすには、降圧目標を達成することが最も重要です。
降圧目標は年齢・持病などで異なるため、まずは自分の目標値を把握し、家庭血圧を測定しながら適切に管理しましょう。

家庭血圧は診療において重要な指標となるため、日々の測定を習慣化することが大切です。
診察室では緊張の影響で血圧が高く出ることがあるため、より正確な状態を把握するには、毎日の家庭血圧測定が推奨されています。。

家庭血圧

診察室血圧

  • 75歳以上の成人
  • 脳血管障害患者
  • 冠動脈疾患患者
  • CKD患者(尿蛋白陽性)
  • 糖尿病患者
  • 抗血栓薬服用中

<125/75

<130/80

  • 75歳以上の高齢者
  • 脳血管障害患者
  • CKD患者(尿蛋白陰性)

<135/85

<140/90


高血圧の治療法|生活習慣の改善と薬物療法の選択肢

一般療法

  • 過剰摂取を避ける
    → 塩分・飽和脂肪酸・コレステロール
  • 積極的に摂取する
    → 野菜・果物・多価不飽和脂肪酸・低脂肪乳製品
  • 体重の適正化
  • 運動励行
  • 飲酒制限
  • 禁煙
  • ストレス管理

薬物療法(主なもの)

  • Ca拮抗薬
  • ARB
  • ACE阻害薬
  • 利尿薬
  • β遮断薬(αβ遮断薬)

薬物療法は、心臓・脳・腎臓などの臓器障害のリスクや、禁忌の有無を考慮して適切な選択が必要です。

高血圧治療では、1種類の薬だけでは目標値に到達しないことが多く、その場合は複数の降圧薬を併用することが推奨されます。
特にARBやCa拮抗薬、利尿薬の組み合わせが一般的です。

ARNI(アンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬)は、近年、心不全治療の分野で注目されている薬剤です。 高血圧治療ガイドライン2019には直接的な記載はありませんが、心不全を合併した高血圧患者では、治療選択肢の一つとなる可能性があります。

よくあるご質問(FAQ)

高血圧の診断・治療に関するFAQ

高血圧の診断基準は何ですか?

診断基準は家庭血圧が135/85mmHg以上、または診察室血圧が140/90mmHg以上です。
近年は、家庭血圧が重視されています。

高血圧の治療では、まず何をすべきですか?

物療法以外にまずすべきこととして、生活習慣の改善(塩分制限・運動・禁煙・適正体重の維持)を行う事が推奨されています。

特に脂質異常症・ 精尿病といった他の生活習慣病がある場合、生活習慣の改善は重要性が高くなります。
また、低コストで安全に複数の疾患にまたがる危険因子を同時に減らすことができる点も高い意義があります

高血圧の薬を一度飲み始めたら、一生飲み続ける必要がありますか?

治療の目的は、脳卒中・心筋梗塞といった動脈硬化性疾患のリスクを適正化することです。
降圧目標を達成してすぐに薬を中止してしまうとリスクは十分には適正化されず、やはり長期的な治療は必要です。
ただし、長期間にわたり治療目標が十分に達成され、降圧剤を減量しても適切な血圧が維持できるようであれば服薬を中止できる可能性はあります。
当クリニックは、降圧剤の適切な調整を心がけ、処方が目的の診療ではなく、治療目的を成し遂げる診療に努めています。

受診・診療に関するFAQ

高血圧の診療では、どのような検査が行われますか?

まず初診時には他の疾患(特に甲状腺機能異常症などの内分泌疾患)の有無を血液検査で調べることがあります。
高血圧診療は動脈硬化症の進行を抑制することが目的のため、進行度の評価として血液検査・尿検査・心電図検査などの日常的な検査をはじめ、眼底検査・心臓超音波検査・頸動脈超音波検査・ABI(足関節上腕血圧比)・PWV(脈波伝播速度)などが行われます。

高血圧の治療は、オンライン診療でも受けられますか?

病状が安定している場合、ご要望に応じてオンライン診療をご利用頂けます。
初診時・検査時・不安定な病状では来院が必要ですが、定期的な血圧管理や生活習慣の指導はオンライン診療でも対応可能です。

  • 受診のための移動が不要
  • 診察直前までいつも通りに過ごせる
  • 受診後の会計待ちがない

など、受診のための拘束時間は事実上診察時間のみとなるため、特に働き世代で通院が難しい方・忙しい方・勤務先近くで通院されている方などにとっては利便性の高い選択肢となり得ます。

予約が必要ですか?

当クリニックでは予約優先制を導入しており、事前にご予約いただくとスムーズに診療を受けられます。
オンライン予約も可能ですので、お気軽にご利用ください。

生活習慣・予防に関するFAQ

高血圧を予防するために、日常生活で気をつけることは何ですか?

塩分を控えめにし、適度な運動を心がけることが重要です。
また、禁煙・節酒・ストレス管理・十分な睡眠も血圧のコントロールに役立ちます。

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