芦屋市・西宮市・神戸市の感染症情報(01/22)

兵庫県感染症情報センターからリリースされている週報から芦屋市西宮市神戸市の情報をピックアップして集計したものを若干のコメントをつけて配信しています。

芦屋市・神戸市・西宮市における2026年第3週(1月22日集計)の主要感染症流行状況グラフ。インフルエンザ(596件)が突出した流行を見せており、次いでA群溶連菌咽頭炎(73件)、COVID-19(21件)、RSウイルス感染症(19件)、伝染性紅斑(7件)、咽頭結膜熱(7件)が報告されています。近隣エリアの最新の感染症動向と流行の推移を視覚化した、地域住民のための感染症レポート用グラフです。
  • インフルエンザ:依然として非常に高い水準にありますが、前週(639件(補正値))からは43件減少し596件となりました。
  • A群溶連菌咽頭炎:高水準を維持していますが、前週(113件(補正値))からは40件減少し73件で推移しています。
  • 水痘:前週(2件(補正値))から7件増加して9件となり、短期的な増加傾向が見られます。
  • RSウイルス感染症:前週(18件(補正値))から1件増加し19件となり、横ばいで推移しています。
  • 咽頭結膜熱:前週(13件(補正値))から6件減少し7件となりましたが、低水準での推移が続いています。
  • COVID-19:前週(23件(補正値))から2件減少し21件となりましたが、低水準での横ばいが続いています。

目次

インフルエンザ

芦屋市・神戸市・西宮市の2026年1月22日集計分における感染症別グラフ。インフルエンザの爆発的な流行から減少、その後の再増加の推移を1年間の長期スパンと直近2ヶ月の短期スパンで示しています。A群溶連菌咽頭炎やCOVID-19などの動向も重ね合わせ、地域の感染症リスクを可視化しています。

動向

  • 今週の報告数は596件で、前週(639件(補正値))から減少しました。
  • 短期的(4〜8週)には、12月以降に減少が始まり、直近2週で増加幅が小さい状態です。
  • 中期的(半年以内)には、11月に2219件のピークがあり、その後減少を経て現在の水準に至っています。
  • 長期的(1年)に見ると、10月以降は前週比の増加が連続しており、同様の推移が続く可能性があります。
  • 依然として警報レベルの高い水準にあります。学校や園での集団生活における感染拡大に引き続き注意してください。

ご家庭で気をつけたいこと

  • 発熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、咳などの症状を呈します。
  • 体調不良時には無理をせず休養し、登校・登園や外出を控えることが大切です。
  • 手洗い・マスク・換気など、基本的な感染対策が予防につながります。

臨床的特徴と受診の目安

  • 潜伏期は1〜2日、発熱を主徴とする急性呼吸器感染症です。
  • 高熱が続く、呼吸苦がある、基礎疾患を有する方や高齢者では重症化リスクが高いため早めの受診が推奨されます。
  • 抗インフルエンザ薬は発症から48時間以内に投与することが望ましいとされています。

溶連菌性咽頭炎

兵庫県芦屋市・神戸市・西宮市におけるA群溶連菌咽頭炎の流行推移グラフ(2025年2月〜2026年1月)。年間を通じて高い水準で増減を繰り返しており、直近でも警報レベルに近い流行が継続している地域の感染症動向を示しています。

溶連菌性咽頭炎は、強い咽頭痛・高熱はあれど、咳が乏しいのが特徴的な、主にA群溶血性連鎖球菌による感染症です。
症状の強さもさることながら、合併症に留意が必要な点が日常的な感染症としては特徴的で、適切な対応を要します。

動向

  • 今週の報告数は73件で、前週(113件(補正値))から減少しました。
  • 短期的(4〜8週)には、12月以降に変動が始まり、直近2週で減少幅が明瞭状態です。
  • 中期的(半年以内)には、12月に100件のピークがあり、その後変動を経て現在の水準に至っています。
  • 長期的(1年)に見ると、10月以降は前週比の増加が連続しており、同様の推移が続く可能性があります。
  • 依然として高い水準での推移が続いています。学童期のお子様を中心に流行しやすいため、喉の痛みや発熱がある場合は早めに受診してください。

ご家庭で気をつけたいこと

  • 喉の痛みや発熱がある場合は無理をせず休養し、学校や園は登校・登園を控えましょう。
  • 咳やくしゃみの際はティッシュや肘で口を覆い、手洗い・うがいを徹底してください。
  • 兄弟や家族内での感染拡大を防ぐため、食器やタオルの共用を避けましょう。

臨床的特徴と受診の目安

  • 急性咽頭炎を呈し、咽頭痛・発熱・扁桃の白苔が典型的です。
  • 小児では「イチゴ舌」や発疹(猩紅熱様発疹)を伴うこともありますが、近年は典型的な発疹を欠く例もあります。
  • 抗菌薬治療により症状は速やかに改善しますが、放置すると急性糸球体腎炎やリウマチ熱などの合併症があるため、早期受診が推奨されます。

水痘

芦屋市・神戸市・西宮市における水痘(みずぼうそう)の流行推移グラフ(2025年2月〜2026年1月)。年間を通じて散発的な流行を繰り返しており、直近では報告数が急増し、過去半年間で最大級の流行水準に達している動向を示しています。

水痘は、「みずぼうそう」の俗称で知られる、頭皮から脚まで全身性に水疱を伴う皮疹を生ずるウイルス感染症です。

動向

  • 今週の報告数は9件で、前週(2件(補正値))から増加しました。
  • 短期的(4〜8週)には、12月以降に変動が始まり、直近2週で増加幅が明瞭状態です。
  • 中期的(半年以内)には、10月に25件のピークがあり、その後変動を経て現在の水準に至っています。
  • 長期的(1年)に見ると、12月以降は前週比の増加が連続しており、同様の推移が続く可能性があります。
  • 急激な増加傾向にあり、園児や学童間での集団感染に注意が必要です。未接種の方はワクチンの検討をお勧めします。
  • 成人の感染や妊婦の感染は重症化のリスクがあるため、周囲に感染疑いがある場合は接触を避けてください。

RSウイルス感染症

芦屋市・神戸市・西宮市におけるRSウイルス感染症の流行推移グラフ(2025年2月〜2026年1月)。春先の大きな流行以降は落ち着いた推移を見せていましたが、秋口に一時的な増加があり、現在は低い水準ながらも増減を繰り返している動向を示しています。

動向

  • 今週の報告数は19件で、前週(18件(補正値))から増加しました。
  • 短期的(4〜8週)には、12月以降に変動が始まり、直近2週で増加幅が小さい状態です。
  • 中期的(半年以内)には、10月に68件のピークがあり、その後減少を経て現在の水準に至っています。
  • 長期的(1年)に見ると、12月以降は前週比の増加が連続しており、同様の推移が続く可能性があります。
  • 乳幼児において重症化しやすい感染症です。特に保育施設等での咳や鼻汁といった症状の広がりに注意し、早めの受診を心がけてください。

ご家庭で気をつけたいこと

  • 発熱、鼻汁、咳などのかぜ症状から始まり、乳幼児では急速に呼吸状態が悪化することがあります
  • 特に1歳未満の乳児や早産児、心疾患や肺疾患などの基礎疾患を持つお子さんでは重症化リスクが高いため注意が必要です。
  • ご家庭では、手洗い・マスク・換気などの基本的な感染対策に加え、同居家族からの持ち込みを防ぐ工夫も大切です。
  • 兄弟姉妹や保育園などを通じた家庭内感染が多いため、症状がある場合はできるだけ接触を避けましょう。
  • お子様の感染症と認識されることが多いですが、成人のかぜ症候群の腫瘍なウイルスとして知られています。本症のお子様との濃厚接触で成人も重症化するケースがあります

臨床的特徴と受診の目安

  • 潜伏期は2〜8日程度。鼻汁・咳・発熱などの上気道炎症状から始まり、乳幼児では細気管支炎や肺炎を起こすことがあります。
  • 乳児では喘鳴(ゼイゼイ)、陥没呼吸、哺乳不良、無呼吸発作などがみられる場合があり、「苦しそうな呼吸」は重症化のサインです。
  • 高熱が続く、呼吸が苦しそう、顔色が悪い、水分が摂れないなどの症状がある場合には早急な受診をご検討下さい。
  • 成人では軽症で済むことが多いですが、高齢者や免疫力が低下している方では重症化する可能性があります

咽頭結膜熱

芦屋市・神戸市・西宮市における咽頭結膜熱(プール熱)の流行推移グラフ(2025年2月〜2026年1月)。2025年6月に最大約70件を超える大きな流行が見られましたが、その後は減少。直近の半年間は週20件以下で増減を繰り返す、比較的落ち着いた推移を示しています。

咽頭結膜熱は、アデノウイルス感染症の一つで、結膜炎を伴う風邪と言えるものです。

動向

  • 今週の報告数は7件で、前週(13件(補正値))から減少しました。
  • 短期的(4〜8週)には、12月以降に変動が始まり、直近2週で減少幅が明瞭状態です。
  • 中期的(半年以内)には、12月に20件のピークがあり、その後減少を経て現在の水準に至っています。
  • 長期的(1年)に見ると、1月以降は前週比の減少が連続しており、同様の推移が続く可能性があります。
  • 報告数は低水準ですが、咽頭結膜熱は感染力が非常に強いため、目やにや喉の痛みがある場合はタオルの共有を避け、手洗いを徹底してください。

ご家庭で気をつけたいこと

  • 発熱、のどの痛み、目の充血や目やにがみられる場合は、登園・登校や集団生活を控えるようにしましょう。
  • 咽頭結膜熱は接触感染・飛沫感染で広がるため、手洗いの徹底や、タオル・洗面用具の共用を避けることが重要です。
  • 発熱が続く間は脱水になりやすいため、こまめな水分補給を心がけてください。
  • 兄弟姉妹や同居家族に、発熱や目の症状が出ていないか注意深く観察しましょう。

COVID-19

芦屋市・神戸市・西宮市における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行推移グラフ(2025年2月〜2026年1月)。2025年8月に400件超の大きなピークを迎えた後、現在は週20件前後の低水準で落ち着いた推移を続けている地域の最新感染動向を可視化しています。

クリニック診療では風邪程度の症状が多いものの、インフルエンザと同程度の辛さを訴える方も珍しくなく、肺炎に至って入院される方もおられます。

最近は「のどの痛み」が目立つ方が多いように思われます。

動向

  • 今週の報告数は21件で、前週(23件(補正値))から減少しました。
  • 短期的(4〜8週)には、12月以降に変動が始まり、直近2週で減少幅が小さい状態です。
  • 中期的(半年以内)には、8月に436件のピークがあり、その後減少を経て現在の水準に至っています。
  • 長期的(1年)に見ると、9月以降は前週比の減少が連続しており、同様の推移が続く可能性があります。
  • 報告数は低水準で安定していますが、依然として感染は継続しています。基本的な手指消毒や換気など、日常的な感染対策の継続が推奨されます。

ご家庭で気をつけたいこと

  • 発熱や咽頭痛、咳などの症状がある場合は、外出や登園・登校を控えたり、人の多い屋内ではマスクを着用するなど、感染拡大防止にご協力下さい
  • 家庭内感染を防ぐため、共用スペースの時間差利用共用スペース利用時のマスク着用換気の励行を心がけましょう。
  • 高齢者や基礎疾患のある方との接触は特に注意してください。

臨床的特徴と受診の目安

  • 潜伏期は平均2〜3日、最長で7日程度とされます。発熱、咽頭痛、咳、倦怠感などの症状が出現します。
  • 現況は公共交通機関といった日常生活での感染も容易に起こり得るものと推定されます。
  • 高齢者、基礎疾患を有する方、妊婦は重症化リスクが高いため、早めの受診が望まれます。
  • 呼吸苦、強い倦怠感などがある場合は速やかに受診してください。

伝染性紅斑(りんご病)

2025年1月から2026年1月までの伝染性紅斑の報告数推移を示した折れ線グラフ。横軸は週、縦軸は報告数を示す。春から夏にかけて増加し、7月以降は高めの水準で変動しながら推移している。10月に高値を示した後、11月以降は低下し、年末から年明けにかけて減少傾向が続いている。

伝染性紅斑は、ほっぺたがりんごのように赤くなるのを特徴とする、りんご病の名で知られる感染症です。

動向

  • 今週の報告数は11件で、前週(16件)から減少しました。
  • 短期的(4〜8週)には、11月以降に減少が始まり、直近2週で減少幅が明瞭な状態です。
  • 中期的(半年以内)には、10月に85件のピークがあり、その後減少を経て現在の水準に至っています。
  • 長期的(1年)に見ると、11月以降は前週比の減少が連続しており、同様の推移が続く可能性があります。

ご家庭で気をつけたいこと

  • 頬に赤い発疹が出現するのが典型で、学校や園で集団発生することがあります
  • 発疹が出る頃には感染性は低下していますが、潜伏期(1〜2週間)は感染を広げやすいため注意が必要です。
  • 家族や周囲に妊婦がいる場合は特に感染拡大を防ぐことが重要です

臨床的特徴と受診の目安

  • 発熱や風邪様症状に続いて、頬部の紅斑(平手打ち様発疹)が出現するのが特徴です。四肢にも網目状の発疹が広がります。
  • 発疹出現後は全身状態が比較的良好であることが多いですが、妊婦では胎児感染による重篤な影響(胎児水腫など)が報告されています。
  • 妊娠中に発疹や感染が疑われる場合は、速やかに産婦人科に相談してください

妊婦さんへの感染では胎児への影響が懸念されるため、妊婦さんが感染するのは何としても防ぎたいところですが、伝染性紅斑がうつりやすいのは伝染性紅斑らしさが出る前の時期であるため、妊婦さんは十分な感染対策をなさって下さい

伝染性紅斑とは

別名「りんご病」といい、風邪症状+赤いほっぺたを呈するウイルス感染症です。
5年程度の周期性の流行を認める傾向があり、前回の当地での流行はまさに2019年末〜2020年2月頃でした。

大半の方にとっては大きな問題とならないものですが、合併症に留意が必要な方々がおられます。

合併症

胎児水腫
妊婦の感染を経て胎児が感染すると、胎児の体内に液体貯留しやすくなる胎児水腫という合併症をきたして専門医による管理・治療を要することがあります。
妊婦さんはマスク着用などの感染対策を十分になさって下さい。

骨髄無形成発作
溶血性貧血患者が感染すると、重度の貧血や、赤血球以外の血球減少を伴う汎血球減少症をきたすことがあります。

感染対策

りんご病を特徴づけるのはほっぺたの赤みですが、この症状を呈する時期には既に感染源になる時期を過ぎており、りんご病患者がごく身近で発生してからの対策は後手になります。
肝要なのは生活圏での流行の把握となり、特に妊婦さんは登園中のお子さんがおられましたら登園先の発生状況の把握に努めるなどして、ご自身の生活圏で発生があれば速やかに十分な対策をして下さい。

具体的な対策は飛沫感染対策・接触感染対策となりますので、マスク着用・手洗い励行をお勧め致します。

百日咳

芦屋市および周辺地域(神戸市・西宮市)における百日咳の週別報告数の推移を示す折れ線グラフ。春から初夏にかけて増加し、7月にピークを形成した後、夏後半以降は減少傾向となっている。最新週は10件で、前週10件と同水準で推移している。

百日咳は、長引くから咳を特徴とし、2025年に大規模な流行をきたした呼吸器感染症です。

動向

  • 今週の報告数は10件で、前週(10件)から横ばいでした。
  • 短期的(4〜8週)には、10月以降に減少が始まり、直近2週で減少幅小さい状態です。
  • 中期的(半年以内)には、7月78件のピークがあり、その後減少を経て現在の水準に至っています。
  • 長期的(1年)に見ると、8月以降は前週比の減少が連続しており、同様の推移が続く可能性があります。

ご家庭で気をつけたいこと

  • 数週間にわたり咳が長引く場合は百日咳の可能性もあるため、医療機関での受診を検討してください。
  • 咳による夜間の睡眠障害や、乳児への二次感染に特に注意が必要です。
  • ワクチン接種歴の確認や、未接種のお子さんには定期接種の機会を逃さないことが大切です。

臨床的特徴と受診の目安

  • 百日咳は「カタル期」「痙咳期」「回復期」を経過する呼吸器感染症です。特に乳児では無呼吸発作を起こす危険があります。
  • 咳発作は夜間に強く、嘔吐を伴うこともあります。
  • 乳児、高齢者、持病のある方は重症化リスクが高いため、早めの受診が推奨されます。

特に、以下に該当する場合は積極的に受診を御検討下さい。

  • 連続する短い咳に続けて、息を吸うときに「ヒュー」と音がする
  • 周囲に百日咳と診断された人やしつこい咳の人がいる
  • しつこい咳が続く乳幼児の同居者
  • 百日咳|あしやサニークリニック
  • 百日咳 2025年第1~21週(2025年5月28日現在)|国立健康危機管理研究機構