芦屋市近隣感染症情報(7/28)

兵庫県感染症情報センターからリリースされている週報から芦屋市・西宮市・神戸市の情報をピックアップして集計したものと、兵庫県のCOVID-19関連のデータを集計したものを配信しています。

一般感染症

A群溶連菌性咽頭炎はこの2週連続の増加から減少に転じ、8週間のトレンドとしては横ばいという印象です。高熱+強い喉の痛みにご注意ください。

RSウイルス感染症の増加は今週も続いています。年少児の水っぱな+つらそうな咳にご留意ください。症状だけで新型コロナウイルス感染症との判別は難しく悩ましい状況です。

手足口病は4週間ぶりに漸減しました。手足の赤い点々、のどの赤い点々にご留意ください。

インフルエンザは報告数が先週から横ばいのままで、今の所「流行」という状況ではありません。

COVID-19関連

SARS-CoV-2検査陽性者数は先週の1.8倍と勢いが鈍る こと無く急増中で当エリアにおいても過去最多となり、PCR陽性率も約68%と過去最高となりました。

年代別構成比のグラフからはすべての年代で報告されているのが判りますが、先週言及したように50〜60代と70歳以上が漸増している状況です。逆に10歳未満、10〜20代以下は漸減中です。

ワクチン接種に期待される効果は

  • 発症・感染予防効果
  • 入院・重症化抑制効果

ですが、現在発症・感染予防効果は低下しています。
低下する要因としては

  • 接種後の経過時間が長い
  • 流行中のオミクロン株(BA.5)は、現行ワクチンの設計のひな形である武漢株からの変異度が高い

といったことが挙げられるようです。

一方

  • 接種後早期は発症・感染予防効果はある程度期待できる
  • 入院・重症化抑制効果はそれなりに保たれている
  • 後遺症の抑制効果がありそう

といった報告がなされており、接種によるメリットは依然あるということをお伝えしておきましょう。

入院者数・宿泊療養者数もPCR陽性者と同様の動向です。

今の所重症者率・死亡者数の動向は第6波と同様の様相です。

マスク着用の見解・推奨が変更されました

厚生労働省のマスク着用に関する見解・推奨が更新されています。

マスクはウイルス単体をブロックするものではありませんが、ウイルスを含む鼻汁・喀痰をブロックするため人から人へ伝播するウイルス量を減少させます。
材質や装着状況でウイルス減少効果に差はありますが、現時点でマスク着用は合理的な感染対策だと思われます。

なお、医療施設内は感染弱者が多い一方で感染者が集まりやすいという点で一般施設とは状況が大きく異なります。
発熱外来指定医療機関であるあしやサニークリニック内科は十分な感染対策が求められており、引き続きマスク着用は必須ですのでご理解・ご協力の程をお願い申し上げます。

ワクチンのポイントを知っておきましょう

現行のワクチンは新型コロナウイルス発生当初の武漢株を元に設計されたもので、速いテンポで変異を繰り返してきた最新の株に対する有効性は当初より低下しています。

有効性の評価項目別で見ると、オミクロン株に対しては感染・発症予防効果はやや大きく低下していますが、入院・重症化予防効果は相対的に保たれています。
感染・発症しないのが最も望ましいことですが、過去最多の死亡者数を記録しているオミクロン株の流行期においては入院・重症化予防効果がそれなりに保たれている点において接種する意義があると考えられます。

副反応への懸念からか、モデルナ製のものはファイザー製のものより不人気で当クリニックの接種状況も両剤で大きな差があります。

3回目接種について言えば、モデルナ製の方が副反応の発生頻度は高いのですが、その差はそれほど大きなものではないようです。また中和抗体価の上昇度はモデルナ製の方が若干高いというデータもあります。
年齢が高い方ほどファイザー製接種を望むあまりワクチン自体の接種機会を逃すより、メーカーを選ばず早期に接種することも検討しましょう。

感染対策を続けましょう

感染者から咳などでダイレクトにウイルスをもらうのは「直接感染」です。これはマスクやメガネなどでブロックしましょう。
どこかに付着したウイルスが自分の手を介して感染するのは「間接感染」です。これは手指衛生(手洗い・アルコール消毒)でブロックしましょう。
3密は本来リスクが高くないものまで高くしてしまう状況です。やるべきことはこれまでと同じです。粛々となすべきことをなしましょう💪🏻

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