兵庫県感染症情報センターからリリースされている週報から芦屋市・西宮市・神戸市の情報をピックアップして集計したものを若干のコメントをつけて配信しています。
手足口病とCOVID-19の縦軸は右である点にご留意ください。
手足口病
手足口病は3週間前から発表される感染症データの中で最多報告数となりました。
ただし増加傾向にブレーキがかかってきた様相で、早晩減少傾向に転じることが予想されます
COVID-19
COVID-19は8月初旬をピークに報告数が減少し、概ね流行前の状態まで減って来ました。
着々と減少中ですが絶対数は多い点にご留意下さい。
新型コロナワクチン定期接種
新型コロナワクチンは2024/4/1から接種費用が自己負担となる任意接種に移行しました。
一方2024/10/1〜2025/1/31の期間において定期接種が実施中で、対象者は¥3,260で接種が受けられます。
対象者の概要は以下の通りです。
- 65歳以上の者
- 60歳以上65歳未満の心臓・腎臓・呼吸器障害やヒHIVによる免疫の機能障害を有する者
当初ほどの発症予防効果は得難くなっていますが、最近では
- 急性期の重症化・入院・死亡リスクの低減
- 亜急性期〜慢性期のいわゆるコロナ後遺症(long COVID)のリスク低減
が重視されています。
マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマ肺炎は穏やかな上昇トレンドの様相です。
「しつこい咳」がキーワードですが、出る時に一気に出る発作性のものというよりコンスタントに出続ける咳というイメージです。
発症初期は特徴的な咳を伴いにくく、迅速抗原検査の精度も良好ではなく初診時に診断に至れないこともままあります。
また現場感としてですが、最近の急性上気道炎(いわゆる風邪)は感染後咳嗽を伴うことが多く、経過を言葉だけで表現するとマイコプラズマ肺炎との見分けはなかなかに困難です。
加えて頻用される抗原検査はトータルでも3〜4人に1人は陰性となるため、「それっぽい判断材料」と「それっぽくない判断材料」を天秤にかけた丁寧な診察が要求されます。
受診時に胸の音は必ず聴いてもらいましょう。
「肺炎」であり、胸部聴診が欠かせない感染症です。
溶連菌性咽頭炎
溶連菌性咽頭炎は2週間前まで3週連続上昇していましたが、一転して2週連続で減少しています。
中期的には減少傾向として良さそうですが、絶対数が多い状況で推移しています。
迅速検査だけで診断しにくいのが溶連菌性咽頭炎の難しさですが、強い喉の痛み・高熱が揃った時は受診されるのがいいでしょう。
インフルエンザ
インフルエンザは少ない絶対数ではありますが、先週から比較的大きな幅で増加しました。
芦屋市内ではインフルエンザに関連していると思われる学級閉鎖も行われるようになっており、今後の動向に留意が必要です。
RSウイルス感染症
RSウイルス感染症も短期的な増減を繰り返しつつ、減少傾向を維持している様相です。
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