兵庫県感染症情報センターからリリースされている週報から芦屋市・西宮市・神戸市の情報をピックアップして集計したものを若干のコメントをつけて配信しています。
手足口病の縦軸は右である点にご留意ください。
手足口病
手足口病は6週間前から発表される感染症データの中で最多報告数となった後、10月下旬から低下傾向になっています。
インフルエンザ
インフルエンザは9月末頃から緩徐な上昇傾向を呈し、先週の兵庫県全体での定点当たり報告数は1.01と1を超えて「流行期」の定義に該当するようになりましたが今週は0.87に減少しました。
インフルエンザワクチン接種を10月から開始しています。
接種は流行期の2週間前には完了してるのが望ましいとされています。
また今年度から注射ではなく、鼻からミストで接種するインフルエンザワクチンも導入しています。
接種されたお子様の大半から「注射よりこっちがいい」との感想をいただいています。
COVID-19
COVID-19は8月初旬をピークに報告数が減少し、過去1年間における最小レベルになっています。
とはいえ絶対数は少なからずで、ここしばらくニュースになっているマイコプラズマ肺炎の約3倍の報告数です。
新型コロナワクチン定期接種
新型コロナワクチンは2024/4/1から接種費用が自己負担となる任意接種に移行しました。
一方2024/10/1〜2025/1/31の期間において定期接種が実施中で、対象者は¥3,260で接種が受けられます。
対象者の概要は以下の通りです。
- 65歳以上の者
- 60歳以上65歳未満の心臓・腎臓・呼吸器障害やヒHIVによる免疫の機能障害を有する者
当初ほどの発症予防効果は得難くなっていますが、最近では
- 急性期の重症化・入院・死亡リスクの低減
- 亜急性期〜慢性期のいわゆるコロナ後遺症(long COVID)のリスク低減
が重視されています。
マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマ肺炎は1〜2週ごとの増減を繰り返しつつ、穏やかな上昇トレンドが続いています。
東京都では報告数が過去最高になったことが報告され(「マイコプラズマ肺炎の報告数が過去最多となりました(東京都) 」)、ニュースにもなっています。
グラフ中の「2.80」は定点報告数という指標で、一医療機関あたりが一週間でその感染症だと診断した患者数のことです。
つまりこの場合、東京都の一医療機関が一週間でマイコプラズマ肺炎と診断する患者数が2.80人ということになります(最新データでは4.28人になりました)。
兵庫県の最新状況はというと、定点報告数は3.07と全国で13番目に多く、隣接する5府県の中で2番目に多い報告数です。
マイコプラズマ肺炎の流行はインフルエンザやCOVID-19などのそれが広範囲にまん延するのに対して局地的となる傾向があります。
例えば兵庫県内でも加古川市が12.00、姫路市が11.00と高水準を示す一方、神戸市は2.33、尼崎市は1.00、西宮市は報告なしといった具合です(芦屋市にはマイコプラズマ肺炎の定点報告医療機関がありません)。
クラスルームやオフィスルームなど、比較的限られた空間を共に過ごすような状況が感染リスクになると思われます。
溶連菌性咽頭炎
溶連菌性咽頭炎は中期的には減少傾向として良さそうですが、9月末から下げ止まりの様相で推移しています。ここ最近は例年で言えば最も流行している時期よりも多い水準となります。
迅速検査だけで診断しにくいのが溶連菌性咽頭炎の難しさですが、強い喉の痛み・高熱が揃った時は受診されるのがいいでしょう。
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