芦屋市・西宮市・神戸市の感染症情報(01/15)

兵庫県感染症情報センターからリリースされている週報から芦屋市西宮市神戸市の情報をピックアップして集計したものを若干のコメントをつけて配信しています。

2025年11月30日から2026年1月15日までの芦屋市・西宮市・神戸市合算の感染症推移を示す折れ線グラフ。インフルエンザ、A群溶連菌咽頭炎、RSウイルス感染症、咽頭結膜熱、水痘、COVID-19の6疾患が表示されており、2026年1月9日にいったん全疾患で大きく低下した後、1月15週にインフルエンザが548件、A群溶連菌咽頭炎が86件、COVID-19が21件、水痘が21件、RSウイルス感染症と咽頭結膜熱がそれぞれ10件に増加している様子が示されている。
  • インフルエンザ:補正後の前週(353.5件)から194.5件増加し548件となり、高水準で推移しています。
  • A群溶連菌咽頭炎:補正後の前週(17.5件)から68.5件増加し86件となり、高水準に急上昇しています。
  • 水痘:補正後の前週(7件)から14件増加し21件となり、増加傾向が明確です。
  • RSウイルス感染症:補正後の前週(14件)から4件減少し10件となり、やや減少しました。
  • 咽頭結膜熱:補正後の前週(3.5件)から6.5件増加し10件となり、増加しています。
  • COVID-19:補正後の前週(10.5件)から10.5件増加し21件となり、増加に転じています。

目次

インフルエンザ

2019年11月から2026年1月までの芦屋市・西宮市・神戸市合算のインフルエンザ報告数の推移を示す折れ線グラフ。2025年11月に2183件でピークを迎えた後は減少傾向となり、年末年始の影響で2026年1月9日は2日分集計のため一時的に低下しているが、1月15週では548件と依然として高い水準で推移している。

動向

  • 今週の報告数は548件で、前週(補正後353.5件)から増加しました。
  • 短期的(4〜8週)には、11月以降に増加が始まり、直近2週で増加幅が明瞭な状態です。
  • 中期的(半年以内)には、11月に2183件のピークがあり、その後減少を経て現在の水準に至っています。
  • 長期的(1年)に見ると、12月以降は前週比の減少が連続しており、同様の推移が続く可能性があります。
  • 年末年始後も一定数の報告が続いており、引き続き流行状況には注意が必要です。

ご家庭で気をつけたいこと

  • 発熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、咳などの症状を呈します。
  • 体調不良時には無理をせず休養し、登校・登園や外出を控えることが大切です。
  • 手洗い・マスク・換気など、基本的な感染対策が予防につながります。

臨床的特徴と受診の目安

  • 潜伏期は1〜2日、発熱を主徴とする急性呼吸器感染症です。
  • 高熱が続く、呼吸苦がある、基礎疾患を有する方や高齢者では重症化リスクが高いため早めの受診が推奨されます。
  • 抗インフルエンザ薬は発症から48時間以内に投与することが望ましいとされています。

溶連菌性咽頭炎

2025年2月から2026年1月までの芦屋市・西宮市・神戸市合算のA群溶連菌咽頭炎の報告数推移を示す折れ線グラフ。春から夏にかけて30〜80件台で変動し、2025年12月に約100件でピークを迎えた後、年末年始の影響で2026年1月9日は2日分集計のため一時的に低下し、1月15週には80件台まで再上昇している。

溶連菌性咽頭炎は、強い咽頭痛・高熱はあれど、咳が乏しいのが特徴的な、主にA群溶血性連鎖球菌による感染症です。
症状の強さもさることながら、合併症に留意が必要な点が日常的な感染症としては特徴的で、適切な対応を要します。

動向

  • 今週の報告数は86件で、前週(補正後17.5件)から増加しました。
  • 短期的(4〜8週)には、11月以降に増加が始まり、直近2週で増加幅が明瞭な状態です。
  • 中期的(半年以内)には、12月に98件のピークがあり、その後減少を経て現在の水準に至っています。
  • 長期的(1年)に見ると、11月以降は前週比の増加が連続しており、同様の推移が続く可能性があります。
  • 学童・園児での集団発生が起こりやすいため、のどの痛みや発熱がある場合は早めの受診が重要です。

ご家庭で気をつけたいこと

  • 喉の痛みや発熱がある場合は無理をせず休養し、学校や園は登校・登園を控えましょう。
  • 咳やくしゃみの際はティッシュや肘で口を覆い、手洗い・うがいを徹底してください。
  • 兄弟や家族内での感染拡大を防ぐため、食器やタオルの共用を避けましょう。

臨床的特徴と受診の目安

  • 急性咽頭炎を呈し、咽頭痛・発熱・扁桃の白苔が典型的です。
  • 小児では「イチゴ舌」や発疹(猩紅熱様発疹)を伴うこともありますが、近年は典型的な発疹を欠く例もあります。
  • 抗菌薬治療により症状は速やかに改善しますが、放置すると急性糸球体腎炎やリウマチ熱などの合併症があるため、早期受診が推奨されます。

水痘

2025年2月から2026年1月までの水痘の報告数推移を示す折れ線グラフ。春以降はおおむね数件から10件前後で上下動し、5月と11月に20件超の山が見られる。年末年始に一時的な落ち込みがあり、その後1月中旬に再び20件前後まで増加している。

水痘は、「みずぼうそう」の俗称で知られる、頭皮から脚まで全身性に水疱を伴う皮疹を生ずるウイルス感染症です。

動向

  • 今週の報告数は21件で、前週(2件)から増加しました。
  • 短期的(4〜8週)には、12月以降に増加が始まり、直近2週で増加幅が明瞭な状態です。
  • 中期的(半年以内)には、11月に25件のピークがあり、その後減少を経て現在の水準に至っています。
  • 長期的(1年)に見ると、12月以降は前週比の増加が連続しており、同様の推移が続く可能性があります。
  • 乳幼児や妊婦がいる家庭では、発疹や発熱がみられた場合に早めの受診と隔離に注意が必要です。

RSウイルス感染症

2025年2月から2026年1月までのRSウイルス感染症の報告数推移を示す折れ線グラフ。2025年2〜3月に80〜90件台の高いピークがあり、その後春から夏にかけて10〜20件台まで低下する。9〜10月に再び60件前後まで上昇した後、年末に向けて減少し、2026年1月中旬には1桁台まで低下している。

動向

  • 今週の報告数は10件で、前週(補正後14件)から減少しました。
  • 短期的(4〜8週)には、11月以降に減少が始まり、直近2週で減少幅が明瞭な状態です。
  • 中期的(半年以内)には、10月に67件のピークがあり、その後減少を経て現在の水準に至っています。
  • 長期的(1年)に見ると、11月以降は前週比の減少が連続しており、同様の推移が続く可能性があります。
  • 乳幼児で重症化しやすいため、咳や呼吸苦がある場合は早めの受診が推奨されます。

ご家庭で気をつけたいこと

  • 発熱、鼻汁、咳などのかぜ症状から始まり、乳幼児では急速に呼吸状態が悪化することがあります
  • 特に1歳未満の乳児や早産児、心疾患や肺疾患などの基礎疾患を持つお子さんでは重症化リスクが高いため注意が必要です。
  • ご家庭では、手洗い・マスク・換気などの基本的な感染対策に加え、同居家族からの持ち込みを防ぐ工夫も大切です。
  • 兄弟姉妹や保育園などを通じた家庭内感染が多いため、症状がある場合はできるだけ接触を避けましょう。
  • お子様の感染症と認識されることが多いですが、成人のかぜ症候群の腫瘍なウイルスとして知られています。本症のお子様との濃厚接触で成人も重症化するケースがあります

臨床的特徴と受診の目安

  • 潜伏期は2〜8日程度。鼻汁・咳・発熱などの上気道炎症状から始まり、乳幼児では細気管支炎や肺炎を起こすことがあります。
  • 乳児では喘鳴(ゼイゼイ)、陥没呼吸、哺乳不良、無呼吸発作などがみられる場合があり、「苦しそうな呼吸」は重症化のサインです。
  • 高熱が続く、呼吸が苦しそう、顔色が悪い、水分が摂れないなどの症状がある場合には早急な受診をご検討下さい。
  • 成人では軽症で済むことが多いですが、高齢者や免疫力が低下している方では重症化する可能性があります

咽頭結膜熱

2025年2月から2026年1月までの咽頭結膜熱の報告数推移を示す折れ線グラフ。春から初夏にかけて増加し、2025年7月に70件台でピークを迎えた後は減少に転じる。秋以降は10〜30件台で上下動し、年末年始の影響で一時的に低下したのち、2026年1月中旬に10件前後で推移している。

咽頭結膜熱は、アデノウイルス感染症の一つで、結膜炎を伴う風邪と言えるものです。

動向

  • 今週の報告数は10件で、前週(補正後3.5件)から増加しました。
  • 短期的(4〜8週)には、12月以降に減少が始まり、直近2週で減少幅が小さい状態です。
  • 中期的(半年以内)には、7月に72件のピークがあり、その後減少を経て現在の水準に至っています。
  • 長期的(1年)に見ると、11月以降は前週比の減少が連続しており、同様の推移が続く可能性があります。
  • 結膜炎や発熱を伴うため、園児や学童では学校・園での集団感染に注意が必要です。

ご家庭で気をつけたいこと

  • 発熱、のどの痛み、目の充血や目やにがみられる場合は、登園・登校や集団生活を控えるようにしましょう。
  • 咽頭結膜熱は接触感染・飛沫感染で広がるため、手洗いの徹底や、タオル・洗面用具の共用を避けることが重要です。
  • 発熱が続く間は脱水になりやすいため、こまめな水分補給を心がけてください。
  • 兄弟姉妹や同居家族に、発熱や目の症状が出ていないか注意深く観察しましょう。

COVID-19

2025年2月から2026年1月までのCOVID-19の報告数推移を示す折れ線グラフ。2025年2月は200件前後の高水準から春にかけて減少し、夏に再び増加して9〜10月に300〜400件のピークを形成した。その後は減少に転じ、年末年始の影響で一時的に低下した後、2026年1月中旬には20件前後で推移している。

クリニック診療では風邪程度の症状が多いものの、インフルエンザと同程度の辛さを訴える方も珍しくなく、肺炎に至って入院される方もおられます。

最近は「のどの痛み」が目立つ方が多いように思われます。

動向

  • 今週の報告数は21件で、前週(補正後10.5件)から増加しました。
  • 短期的(4〜8週)には、12月以降に減少が始まり、直近2週で減少幅が小さい状態です。
  • 中期的(半年以内)には、10月に389件のピークがあり、その後減少を経て現在の水準に至っています。
  • 長期的(1年)に見ると、11月以降は前週比の減少が連続しており、同様の推移が続く可能性があります。
  • 高齢者や基礎疾患のある方では重症化リスクがあるため、引き続き体調変化に注意が必要です。

ご家庭で気をつけたいこと

  • 発熱や咽頭痛、咳などの症状がある場合は、外出や登園・登校を控えたり、人の多い屋内ではマスクを着用するなど、感染拡大防止にご協力下さい
  • 家庭内感染を防ぐため、共用スペースの時間差利用共用スペース利用時のマスク着用換気の励行を心がけましょう。
  • 高齢者や基礎疾患のある方との接触は特に注意してください。

臨床的特徴と受診の目安

  • 潜伏期は平均2〜3日、最長で7日程度とされます。発熱、咽頭痛、咳、倦怠感などの症状が出現します。
  • 現況は公共交通機関といった日常生活での感染も容易に起こり得るものと推定されます。
  • 高齢者、基礎疾患を有する方、妊婦は重症化リスクが高いため、早めの受診が望まれます。
  • 呼吸苦、強い倦怠感などがある場合は速やかに受診してください。

伝染性紅斑(りんご病)

2025年1月から2026年1月までの伝染性紅斑の報告数推移を示した折れ線グラフ。横軸は週、縦軸は報告数を示す。春から夏にかけて増加し、7月以降は高めの水準で変動しながら推移している。10月に高値を示した後、11月以降は低下し、年末から年明けにかけて減少傾向が続いている。

伝染性紅斑は、ほっぺたがりんごのように赤くなるのを特徴とする、りんご病の名で知られる感染症です。

動向

  • 今週の報告数は11件で、前週(16件)から減少しました。
  • 短期的(4〜8週)には、11月以降に減少が始まり、直近2週で減少幅が明瞭な状態です。
  • 中期的(半年以内)には、10月に85件のピークがあり、その後減少を経て現在の水準に至っています。
  • 長期的(1年)に見ると、11月以降は前週比の減少が連続しており、同様の推移が続く可能性があります。

ご家庭で気をつけたいこと

  • 頬に赤い発疹が出現するのが典型で、学校や園で集団発生することがあります
  • 発疹が出る頃には感染性は低下していますが、潜伏期(1〜2週間)は感染を広げやすいため注意が必要です。
  • 家族や周囲に妊婦がいる場合は特に感染拡大を防ぐことが重要です

臨床的特徴と受診の目安

  • 発熱や風邪様症状に続いて、頬部の紅斑(平手打ち様発疹)が出現するのが特徴です。四肢にも網目状の発疹が広がります。
  • 発疹出現後は全身状態が比較的良好であることが多いですが、妊婦では胎児感染による重篤な影響(胎児水腫など)が報告されています。
  • 妊娠中に発疹や感染が疑われる場合は、速やかに産婦人科に相談してください

妊婦さんへの感染では胎児への影響が懸念されるため、妊婦さんが感染するのは何としても防ぎたいところですが、伝染性紅斑がうつりやすいのは伝染性紅斑らしさが出る前の時期であるため、妊婦さんは十分な感染対策をなさって下さい

伝染性紅斑とは

別名「りんご病」といい、風邪症状+赤いほっぺたを呈するウイルス感染症です。
5年程度の周期性の流行を認める傾向があり、前回の当地での流行はまさに2019年末〜2020年2月頃でした。

大半の方にとっては大きな問題とならないものですが、合併症に留意が必要な方々がおられます。

合併症

胎児水腫
妊婦の感染を経て胎児が感染すると、胎児の体内に液体貯留しやすくなる胎児水腫という合併症をきたして専門医による管理・治療を要することがあります。
妊婦さんはマスク着用などの感染対策を十分になさって下さい。

骨髄無形成発作
溶血性貧血患者が感染すると、重度の貧血や、赤血球以外の血球減少を伴う汎血球減少症をきたすことがあります。

感染対策

りんご病を特徴づけるのはほっぺたの赤みですが、この症状を呈する時期には既に感染源になる時期を過ぎており、りんご病患者がごく身近で発生してからの対策は後手になります。
肝要なのは生活圏での流行の把握となり、特に妊婦さんは登園中のお子さんがおられましたら登園先の発生状況の把握に努めるなどして、ご自身の生活圏で発生があれば速やかに十分な対策をして下さい。

具体的な対策は飛沫感染対策・接触感染対策となりますので、マスク着用・手洗い励行をお勧め致します。

百日咳

芦屋市および周辺地域(神戸市・西宮市)における百日咳の週別報告数の推移を示す折れ線グラフ。春から初夏にかけて増加し、7月にピークを形成した後、夏後半以降は減少傾向となっている。最新週は10件で、前週10件と同水準で推移している。

百日咳は、長引くから咳を特徴とし、2025年に大規模な流行をきたした呼吸器感染症です。

動向

  • 今週の報告数は10件で、前週(10件)から横ばいでした。
  • 短期的(4〜8週)には、10月以降に減少が始まり、直近2週で減少幅小さい状態です。
  • 中期的(半年以内)には、7月78件のピークがあり、その後減少を経て現在の水準に至っています。
  • 長期的(1年)に見ると、8月以降は前週比の減少が連続しており、同様の推移が続く可能性があります。

ご家庭で気をつけたいこと

  • 数週間にわたり咳が長引く場合は百日咳の可能性もあるため、医療機関での受診を検討してください。
  • 咳による夜間の睡眠障害や、乳児への二次感染に特に注意が必要です。
  • ワクチン接種歴の確認や、未接種のお子さんには定期接種の機会を逃さないことが大切です。

臨床的特徴と受診の目安

  • 百日咳は「カタル期」「痙咳期」「回復期」を経過する呼吸器感染症です。特に乳児では無呼吸発作を起こす危険があります。
  • 咳発作は夜間に強く、嘔吐を伴うこともあります。
  • 乳児、高齢者、持病のある方は重症化リスクが高いため、早めの受診が推奨されます。

特に、以下に該当する場合は積極的に受診を御検討下さい。

  • 連続する短い咳に続けて、息を吸うときに「ヒュー」と音がする
  • 周囲に百日咳と診断された人やしつこい咳の人がいる
  • しつこい咳が続く乳幼児の同居者
  • 百日咳|あしやサニークリニック
  • 百日咳 2025年第1~21週(2025年5月28日現在)|国立健康危機管理研究機構