兵庫県感染症情報センターからリリースされている週報から芦屋市・西宮市・神戸市の情報をピックアップして集計したものを若干のコメントをつけて配信しています。
手足口病の縦軸は右である点にご留意ください。
グラフには載せていませんが、今週は水痘の報告数が比較的多く、今後の推移に留意が必要です。
手足口病
手足口病は先週からの変化はありませんが、10月下旬から低下傾向が続いています。
インフルエンザ
インフルエンザは9月末頃から緩徐な上昇傾向を呈し、流行の指標である定点当たり報告数は兵庫県全体で1.67、芦屋市・西宮市・神戸市で1.33といずれも「流行期」の定義に該当する状況です。急激な感染拡大とは言えませんが動向に注視が必要な状況です。
COVID-19
COVID-19は8月初旬をピークに報告数が減少し、過去1年間における最小レベルで推移中です。
新型コロナワクチン定期接種
新型コロナワクチンは2024/4/1から接種費用が自己負担となる任意接種に移行しました。
一方2024/10/1〜2025/1/31の期間において定期接種が実施中で、対象者は¥3,260(当クリニック通常価格¥14,800)で接種が受けられます。
対象者の概要は以下の通りです。
- 65歳以上の者
- 60歳以上65歳未満の心臓・腎臓・呼吸器障害やヒHIVによる免疫の機能障害を有する者
当初ほどの発症予防効果は得難くなっていますが、最近では
- 急性期の重症化・入院・死亡リスクの低減
- 亜急性期〜慢性期のいわゆるコロナ後遺症(long COVID)のリスク低減
が重視されています。
マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマ肺炎は短期的に増減を繰り返しており把握が難しいところがありますが、ここへきて上昇傾向から減少傾向へ転じたようにも見えます。
東京都では報告数が過去最高になったことが報告され(「マイコプラズマ肺炎の報告数が過去最多となりました(東京都) 」)、ニュースにもなっています。
グラフ中の「2.80」は定点報告数という指標で、一医療機関あたりが一週間でその感染症だと診断した患者数のことです。
つまりこの場合、東京都の一医療機関が一週間でマイコプラズマ肺炎と診断する患者数が2.80人ということになります(最新データでは4.28人になりました)。
兵庫県の最新状況はというと、定点報告数は2.86と全国で18番目に多く、隣接する5府県の中で4番目に多い報告数です。
マイコプラズマ肺炎の流行はインフルエンザやCOVID-19などのそれが広範囲にまん延するのに対して局地的となる傾向があります。
兵庫県内でみると、姫路市・加古川市が5.00、丹波市が4.00と相対的に高水準で、神戸市は1.33、西宮市は報告なしという状況です(芦屋市にはマイコプラズマ肺炎の定点報告医療機関がありません)。
溶連菌性咽頭炎
溶連菌性咽頭炎は中期的には減少傾向で、9月末から下げ止まりの様相で推移していますが、今週は減少しています。依然として例年で言えば最も流行している時期よりも多い水準です。
迅速検査だけで診断しにくいのが溶連菌性咽頭炎の難しさですが、強い喉の痛み・高熱が揃った時は受診されるのがいいでしょう。
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