兵庫県立西宮総合医療センター 内覧会に参加してきました
2026年6月21日(日)、開院を間近に控えた兵庫県立西宮総合医療センターの内覧会に参加する機会をいただきました。
阪神間における新たな高度急性期医療の拠点として大きな期待を集めている病院です。今回の内覧会では、病棟や手術室、ICU、救急外来などを見学することができましたので、そのレポートと、同院の背景・地域における役割・当院との連携について触れていきます。

兵庫県立西宮総合医療センターとは

兵庫県立西宮総合医療センターは、西宮市津門大塚町に2026年7月1日(水)に開院予定の基幹病院で、高度急性期医療、専門医療、災害医療を担う施設として位置づけられています。
病床数は500床ほどで、阪神南地域における新たな医療拠点として整備されました。
最寄り駅は阪急今津線阪神国道駅で、そのすぐ東側の国道2号線沿いです。
設立の背景
今回の病院整備は、西宮市で長年地域医療を支えてきた、
の機能再編・統合が大きな背景にあります。
公的医療機関として医療ニーズが高度化・複雑化する一方、医師や看護師など医療人材の確保は容易でなく、運営コストの節約が求められる情勢であるなど、限られた医療資源を効率的に活用する必要がありました。
こういった事情に加えて、このエリアに大きな受け皿で高度な急性期医療・先進医療を提供できる医療機関が求められるなどして、整備されたのが兵庫県立西宮総合医療センターです。
地域医療における役割
兵庫県立西宮総合医療センターは、以下のような特徴を掲げています。
西宮総合医療センターの特徴
各クリニックが地域のかかりつけ医として日常診療や、比較的軽症の急性疾患を担い、中小病院が専門化された診療や入院治療を担う一方、西宮総合医療センターは、より高度で先進的な医療を担う、地域医療連携の中核的存在といえます。
近隣高度医療機関との位置づけ
阪神間は人口が多く、以下のような複数の主要病院があります。
| 自治体 | 病院名 | 概ねの病床数 | 主な機能・位置づけ |
|---|---|---|---|
| 尼崎市 | 兵庫県立尼崎総合医療センター | 高度急性期:第3次救急(ER)、がん、周産期医療の基幹拠点 | |
| 関西労災病院 | 約642 | 急性期:総合医療、がん診療連携拠点病院、勤労者医療 | |
| 尼崎中央病院 | 311 | 急性期:2次救急、地域包括ケア(ケアミックス型) | |
| 西宮市 | 兵庫県立西宮総合医療センター | 約552 | 高度急性期:県立西宮と西宮市立中央が統合。3次救急、総合診療、がん、災害医療の最重要拠点 |
| 兵庫医科大学病院 | 約960 | 高度急性期:特定機能病院、大学病院としての先進医療・研究 | |
| 明和病院 | 357 | 急性期:2次救急、がん化学療法、地域医療連携 | |
| 芦屋市 | 市立芦屋病院 | 199 | 市内唯一の公立中核(急性期〜緩和・包括ケア) |
| 甲南医療センター | 461 | 急性期:東灘区の基幹急性期、がん医療、消化器病センター | |
| 神戸市中央区 | 神戸大学医学部附属病院 | 約900 | 高度急性期:特定機能病院、高度先進医療、臨床研究開発拠点 |
| 708 | 高度急性期:全国屈指の救命救急センター(3次救急)、災害拠点 | ||
| 神戸赤十字病院 | 310 | 急性期:災害救護、救急医療、兵庫県災害医療センターと緊密連携 | |
| 神鋼記念病院 | 333 | 急性期:がん診療、糖尿病、循環器など専門診療に強み |
西宮総合医療センターからは、直線で5kmもないところに兵庫医科大学病院があります。
兵庫医科大学病院は、高度で先進的な医療を提供するのは言うに及びませんが、大学病院という性質上、研究や教育にウェイトが置かれます。
一方で西宮総合医療センターは、地域住民にとってより身近な存在として、軽いフットワークで高度で先進的な医療を提供する存在となることが期待されます。
当院との連携について
当院のような地域のかかりつけ医にとって、高度医療を必要とする患者さんを安心して紹介できる病院の存在は非常に重要です。
今後、
を要する患者さんについて、同院との連携が増えていくことが予想されます。
地域医療は一つの医療機関だけで完結するものでなく、クリニック・中小病院・基幹病院がそれぞれの役割を果たしながら連携することが重要であり、その意味でも同院への期待は大きいと感じました。
内覧会で印象に残ったポイント
病棟
10階の病棟を見学させて頂きました。
上層階のため、海側・六甲山側の双方に良好な眺望が広がっていました。
患者さんにとって入院生活は少なからず不安や負担をもたらすものですが、自然光が入り開放感のある環境は、リラックスした気分で療養に臨むのに貢献するものであろうと感じました。
ゆとりのあるスタッフステーション

病棟やICUのスタッフステーションは十分なスペースが確保されていました。
医師・看護師・多職種が連携しやすい設計となっており、病院全体に業務効率や安全性への配慮が感じられました。
手術室にはダヴィンチを導入
手術室エリアにはロボット支援手術システム「ダヴィンチ」が設置されていました。
これまでも西宮市立中央病院で消化器外科・泌尿器科が導入していたものであり、公式発表はないようですが、恐らく新病院でも導入されるものと思われます。
低侵襲手術の需要が高まるなか、地域で先進的な外科治療を提供する体制が整えられていることがうかがえます。
充実したICU

ICU(集中治療室)は病床数にも余裕があり、重症患者受け入れ体制の充実が感じられました。
高度急性期病院においてICUは極めて重要な機能であり、同院が救命救急医療を重視していることが伝わってきました。
救急外来の充実

救急外来には多数の診療ブースや処置スペースが整備されていました。
また、血管造影・CT検査・手術などを、その場で行えるハイブリッドERも整備されていました。
軽症から重症まで様々な患者に対応できる構造となっており、多数傷病者発生時や災害時も意識した設計であることがうかがえました。

まとめ
今回の内覧会を通じて最も印象的だったのは、「急性期医療と高度医療を強力に推し進める」という病院全体の明確な方向性です。
これまで阪神間の高度な急性期医療は、人口に比してやや不足している印象がありました。
西宮総合医療センターは、身近な高度医療機関として、今後の地域医療の中核をなしていくものと思われます。
当院としても必要に応じて同院と連携し、患者さんに適切な医療を提供できるよう努めてまいります。

