ロタウイルスワクチンについて

前回のブログに続きワクチンのお話です。

乳児期は多種のワクチン接種がありますが、ロタウイルスワクチンはそのうちの一つです。ロタウイルスは急性胃腸炎の原因となるウイルスで、5歳までにほぼ全ての児が感染すると言われてます。
急性胃腸炎は世界的には乳幼児の主要な死亡原因の一つで、その中でもロタウイルスは重篤な症状をきたしやすいことが知られており備えが必要と考えられています。

ロタウイルス感染症はRSウイルス感染症と同じく繰り返し感染し、感染するごとに症状が弱まっていく特性があります。したがってワクチン接種は感染しない事を目的とするというよりも、感染した際の症状がなるべく軽微にとどまる事を目的としています。

国内で使用されているロタウイルスワクチンは2種類でいずれも接種可能期間は限定されています。ロタリックスは生後6〜24週に2回、ロタテックは生後6〜32週に3回接種が必要です。
当クリニックが採用しているロタリックスの場合、計算上は1回目を生後20週までに実施すればいいことになりますが、1回目の接種が15週を超えると腸重積という疾患の頻度が若干なりとも上昇すると言われており、日本小児科学会は本ワクチンの初回接種は生後15週までに実施するようアナウンスしています。

国立感染症研究所所「ロタウイルス感染性胃腸炎とは