兵庫県感染症情報センターからリリースされている週報から芦屋市・西宮市・神戸市の情報をピックアップして集計したものを若干のコメントをつけて配信しています。
インフルエンザの縦軸は右であることにご留意ください。
インフルエンザ
インフルエンザ は急増から一転して大幅に減少しました。
流行の指標である定点当たり報告数は
- 芦屋市 4.67(先々週49.00)
- 西宮市 10.75(先々週52.31)
- 神戸市 5.71(先々週68.98)
と1/5〜1/12と急激な減少です。
年末年始の集計上の影響もありそうですが、現場感としても減っている印象です。
インフルエンザワクチンの接種は例年通り12月で一旦休止していますが、1月以降もご要望には対応中です。
ただし平時と同一価格での実施は困難なため、価格を改訂しています。
接種費用はリンク先(『任意接種 』)をご参照下さい。
COVID-19
COVID-19は過去1年間における最小レベルで推移中でしたが、12月中旬から増加フェーズに入ったようです。
受験シーズンを控えており、今後の動向が懸念されるところです。
自習室などを利用される際は換気状況などをよく確認なさって下さい。
新型コロナワクチン定期接種
新型コロナワクチンは2024/4/1から接種費用が自己負担となる任意接種に移行しました。
一方2024/10/1〜2025/1/31の期間において定期接種 が実施中で、対象者は¥3,260(当クリニック通常価格¥14,800)で接種が受けられます。
対象者の概要は以下の通りです。
- 65歳以上の者
- 60歳以上65歳未満の心臓・腎臓・呼吸器障害やヒHIVによる免疫の機能障害を有する者
当初ほどの発症予防効果は得難くなっていますが、最近では
- 急性期の重症化・入院・死亡リスクの低減
- 亜急性期〜慢性期のいわゆるコロナ後遺症(long COVID)のリスク低減
が重視されています。
マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマ肺炎は短期的に増減を繰り返しており把握が難しいところがありますが、明確に減少傾向へ転じたとは言えない状況が続いています。
溶連菌性咽頭炎
溶連菌性咽頭炎は9月末から下げ止まりの様相です。
現状は例年で言えば最も流行している時期よりも多い水準です。
迅速検査だけで診断しにくいのが溶連菌性咽頭炎の難しさですが、強い喉の痛み・高熱が揃った時は受診されるのがいいでしょう。
伝染性紅斑(りんご病)
伝染性紅斑の増加傾向が続いています。
伝染性紅斑とは別名「りんご病」といい、風邪症状+赤いほっぺたを呈するウイルス感染症です。
5年程度の周期性の流行を認める傾向があり、前回の当地での流行はまさに2019年末〜2020年2月頃でした。
大半の方にとっては大きな問題とならないものですが、合併症に留意が必要な方々がおられます。
合併症
胎児水腫
妊婦の感染を経て胎児が感染すると、胎児の体内に液体貯留しやすくなる胎児水腫という合併症をきたして専門医による管理・治療を要することがあります。
妊婦さんはマスク着用などの感染対策を十分になさって下さい。
骨髄無形成発作
溶血性貧血患者が感染すると、重度の貧血や、赤血球以外の血球減少を伴う汎血球減少症をきたすことがあります。
感染対策
りんご病を特徴づけるのはほっぺたの赤みですが、この症状を呈する時期には既に感染源になる時期を過ぎており、りんご病患者がごく身近で発生してからの対策は後手になります。
肝要なのは生活圏での流行の把握となり、特に妊婦さんは登園中のお子さんがおられましたら登園先の発生状況の把握に努めるなどして、ご自身の生活圏で発生があれば速やかに十分な対策をして下さい。
具体的な対策は飛沫感染対策・接触感染対策となりますので、マスク着用・手洗い励行をお勧め致します。
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