芦屋市・西宮市・神戸市の感染症情報(12/11)

兵庫県感染症情報センターからリリースされている週報から芦屋市西宮市神戸市の情報をピックアップして集計したものを若干のコメントをつけて配信しています。

芦屋市・西宮市・神戸市における主要感染症の週別報告数の推移を示した折れ線グラフ。対象疾患は COVID-19、咽頭結膜熱、A群溶連菌咽頭炎、伝染性紅斑、百日咳、インフルエンザ、RSウイルス感染症。横軸は10月26日から12月7日までの週、縦軸は左側がインフルエンザ以外の報告数、右側がインフルエンザの報告数。インフルエンザは週を追うごとに増加し高値で推移。他疾患は概ね低〜中等度の範囲で推移し、大きな増減が疾患ごとに異なる形でみられる。
  • インフルエンザ:依然として非常に高い水準ですが、前週(2035件)から349件減少し1686件となりました。
  • A群溶連菌咽頭炎:前週(58件)から大きく増加し98件となりました。
  • 伝染性紅斑:前週(17件)から2件増加し19件となりました。季節的ピークを過ぎつつも一定の報告が続いており、妊婦への影響にも留意が必要です。
  • RSウイルス感染症:全体としては低めの水準ですが、前週(12件)からやや増加して15件となりました。
  • COVID-19:前週(31件)から13件減少して18件となり、流行は大きく落ち着きつつあります。
  • 百日咳:低水準ながら前週(6件)から10件へと増加しており、小幅な変動が続いています。

目次

インフルエンザ

インフルエンザの週別報告数を示す折れ線グラフ。2025年1月にかけて急増し、4000件超の大きなピークを形成した後、春から夏にかけてほぼゼロ近くで推移。秋以降に再度ゆるやかに増加し、11月下旬から12月上旬にかけて1500〜2200件の中規模の上昇がみられる。

動向

  • 今週の報告数は1686件で、前週(1775件)から減少しました。
  • 短期的(4〜8週)には、10月以降増加が始まり、直近2週で減少幅明瞭な状態です。
  • 中期的(半年以内)には、11月2183件のピークがあり、その後減少を経て現在の水準に至っています。
  • 長期的(1年)に見ると、11月以降は前週比の減少が連続しており、同様の推移が続く可能性があります。

ご家庭で気をつけたいこと

  • 発熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、咳などの症状を呈します。
  • 体調不良時には無理をせず休養し、登校・登園や外出を控えることが大切です。
  • 手洗い・マスク・換気など、基本的な感染対策が予防につながります。

臨床的特徴と受診の目安

  • 潜伏期は1〜2日、発熱を主徴とする急性呼吸器感染症です。
  • 高熱が続く、呼吸苦がある、基礎疾患を有する方や高齢者では重症化リスクが高いため早めの受診が推奨されます。
  • 抗インフルエンザ薬は発症から48時間以内に投与することが望ましいとされています。

溶連菌性咽頭炎

A群溶連菌咽頭炎の週別報告数を示す折れ線グラフ。2025年1月に高めの立ち上がりを示した後、春から初夏にかけて40〜60件の範囲で上下に変動し、7月に一度大きなピークが発生。その後も変動を繰り返しながら秋以降は緩やかな上昇傾向となり、12月初旬にかけて報告数が再び増加している。

溶連菌性咽頭炎は、強い咽頭痛・高熱はあれど、咳が乏しいのが特徴的な、主にA群溶血性連鎖球菌による感染症です。
症状の強さもさることながら、合併症に留意が必要な点が日常的な感染症としては特徴的で、適切な対応を要します。

動向

  • 今週の報告数は98件で、前週(62件)から増加しました。
  • 短期的(4〜8週)には、10月以降に増加が始まり、直近2週で増加幅明瞭な状態です。
  • 中期的(半年以内)には、7月83件のピークがあり、その後変動を経て現在の水準に至っています。
  • 長期的(1年)に見ると、10月以降は前週比の増加が連続しており、同様の推移が続く可能性があります。

ご家庭で気をつけたいこと

  • 喉の痛みや発熱がある場合は無理をせず休養し、学校や園は登校・登園を控えましょう。
  • 咳やくしゃみの際はティッシュや肘で口を覆い、手洗い・うがいを徹底してください。
  • 兄弟や家族内での感染拡大を防ぐため、食器やタオルの共用を避けましょう。

臨床的特徴と受診の目安

  • 急性咽頭炎を呈し、咽頭痛・発熱・扁桃の白苔が典型的です。
  • 小児では「イチゴ舌」や発疹(猩紅熱様発疹)を伴うこともありますが、近年は典型的な発疹を欠く例もあります。
  • 抗菌薬治療により症状は速やかに改善しますが、放置すると急性糸球体腎炎やリウマチ熱などの合併症があるため、早期受診が推奨されます。

伝染性紅斑(りんご病)

2025年の伝染性紅斑の週別報告数を示した折れ線グラフ。年初は低値で推移し、春から初夏にかけて増加、10月にかけてピーク(80件台)を形成した後、11月以降は減少して12月には20件前後で推移している。

伝染性紅斑は、ほっぺたがりんごのように赤くなるのを特徴とする、りんご病の名で知られる感染症です。

動向

  • 今週の報告数は19件で、前週(17件)から増加しました。
  • 短期的(4〜8週)には、10月以降に減少が始まり、直近2週で増加幅小さい状態です。
  • 中期的(半年以内)には、10月82件のピークがあり、その後減少を経て現在の水準に至っています。
  • 長期的(1年)に見ると、10月中旬以降は前週比の減少が連続しており、同様の推移が続く可能性があります。
  • 妊娠中の方では、伝染性紅斑は胎児への影響の観点から注意が必要です。

ご家庭で気をつけたいこと

  • 頬に赤い発疹が出現するのが典型で、学校や園で集団発生することがあります
  • 発疹が出る頃には感染性は低下していますが、潜伏期(1〜2週間)は感染を広げやすいため注意が必要です。
  • 家族や周囲に妊婦がいる場合は特に感染拡大を防ぐことが重要です

臨床的特徴と受診の目安

  • 発熱や風邪様症状に続いて、頬部の紅斑(平手打ち様発疹)が出現するのが特徴です。四肢にも網目状の発疹が広がります。
  • 発疹出現後は全身状態が比較的良好であることが多いですが、妊婦では胎児感染による重篤な影響(胎児水腫など)が報告されています。
  • 妊娠中に発疹や感染が疑われる場合は、速やかに産婦人科に相談してください

妊婦さんへの感染では胎児への影響が懸念されるため、妊婦さんが感染するのは何としても防ぎたいところですが、伝染性紅斑がうつりやすいのは伝染性紅斑らしさが出る前の時期であるため、妊婦さんは十分な感染対策をなさって下さい

伝染性紅斑とは

別名「りんご病」といい、風邪症状+赤いほっぺたを呈するウイルス感染症です。
5年程度の周期性の流行を認める傾向があり、前回の当地での流行はまさに2019年末〜2020年2月頃でした。

大半の方にとっては大きな問題とならないものですが、合併症に留意が必要な方々がおられます。

合併症

胎児水腫
妊婦の感染を経て胎児が感染すると、胎児の体内に液体貯留しやすくなる胎児水腫という合併症をきたして専門医による管理・治療を要することがあります。
妊婦さんはマスク着用などの感染対策を十分になさって下さい。

骨髄無形成発作
溶血性貧血患者が感染すると、重度の貧血や、赤血球以外の血球減少を伴う汎血球減少症をきたすことがあります。

感染対策

りんご病を特徴づけるのはほっぺたの赤みですが、この症状を呈する時期には既に感染源になる時期を過ぎており、りんご病患者がごく身近で発生してからの対策は後手になります。
肝要なのは生活圏での流行の把握となり、特に妊婦さんは登園中のお子さんがおられましたら登園先の発生状況の把握に努めるなどして、ご自身の生活圏で発生があれば速やかに十分な対策をして下さい。

具体的な対策は飛沫感染対策・接触感染対策となりますので、マスク着用・手洗い励行をお勧め致します。

RSウイルス感染症

2025年のRSウイルス感染症の週別報告数を示す折れ線グラフ。1〜3月に大きなピークがあり、春以降は低値で推移。9月に再び上昇してピークを形成した後、10月以降は減少し、12月時点では15件前後の水準となっている。

動向

  • 今週の報告数は15件で、前週(12件)から増加しました。
  • 短期的(4〜8週)には、10月以降に減少が始まり、直近2週で増加幅小さい状態です。
  • 中期的(半年以内)には、9月67件のピークがあり、その後減少を経て現在の水準に至っています。
  • 長期的(1年)に見ると、10月中旬以降は前週比の減少が連続しており、同様の推移が続く可能性があります。
  • 乳幼児では症状が強く出やすいため、咳や哺乳量の低下などがあれば早めの受診を検討してください。

ご家庭で気をつけたいこと

  • 発熱、鼻汁、咳などのかぜ症状から始まり、乳幼児では急速に呼吸状態が悪化することがあります
  • 特に1歳未満の乳児や早産児、心疾患や肺疾患などの基礎疾患を持つお子さんでは重症化リスクが高いため注意が必要です。
  • ご家庭では、手洗い・マスク・換気などの基本的な感染対策に加え、同居家族からの持ち込みを防ぐ工夫も大切です。
  • 兄弟姉妹や保育園などを通じた家庭内感染が多いため、症状がある場合はできるだけ接触を避けましょう。
  • お子様の感染症と認識されることが多いですが、成人のかぜ症候群の腫瘍なウイルスとして知られています。本症のお子様との濃厚接触で成人も重症化するケースがあります

臨床的特徴と受診の目安

  • 潜伏期は2〜8日程度。鼻汁・咳・発熱などの上気道炎症状から始まり、乳幼児では細気管支炎や肺炎を起こすことがあります。
  • 乳児では喘鳴(ゼイゼイ)、陥没呼吸、哺乳不良、無呼吸発作などがみられる場合があり、「苦しそうな呼吸」は重症化のサインです。
  • 高熱が続く、呼吸が苦しそう、顔色が悪い、水分が摂れないなどの症状がある場合には早急な受診をご検討下さい。
  • 成人では軽症で済むことが多いですが、高齢者や免疫力が低下している方では重症化する可能性があります

COVID-19

2025年のCOVID-19週別報告数を示した折れ線グラフ。1〜3月にかけて200件前後の高い水準となった後、春から初夏にかけて減少。夏以降に再び増加し、9月中旬に300件台後半の大きなピークを形成したのち、10月以降は減少傾向が続き、12月時点では20件前後まで低下している。

クリニック診療では風邪程度の症状が多いものの、インフルエンザと同程度の辛さを訴える方も珍しくなく、肺炎に至って入院される方もおられます。

最近は「のどの痛み」が目立つ方が多いように思われます。

動向

  • 今週の報告数は18件で、前週(31件)から減少しました。
  • 短期的(4〜8週)には、10月以降に減少が始まり、直近2週で減少幅大きい状態です。
  • 中期的(半年以内)には、9月374件のピークがあり、その後減少を経て現在の水準に至っています。
  • 長期的(1年)に見ると、12月以降は前週比の減少が連続しており、同様の推移が続く可能性があります。
  • 高齢者や基礎疾患のある方では重症化リスクが高くなるため、発熱や咳が続く場合は早めの受診を検討してください。

ご家庭で気をつけたいこと

  • 発熱や咽頭痛、咳などの症状がある場合は、外出や登園・登校を控えたり、人の多い屋内ではマスクを着用するなど、感染拡大防止にご協力下さい
  • 家庭内感染を防ぐため、共用スペースの時間差利用共用スペース利用時のマスク着用換気の励行を心がけましょう。
  • 高齢者や基礎疾患のある方との接触は特に注意してください。

臨床的特徴と受診の目安

  • 潜伏期は平均2〜3日、最長で7日程度とされます。発熱、咽頭痛、咳、倦怠感などの症状が出現します。
  • 現況は公共交通機関といった日常生活での感染も容易に起こり得るものと推定されます。
  • 高齢者、基礎疾患を有する方、妊婦は重症化リスクが高いため、早めの受診が望まれます。
  • 呼吸苦、強い倦怠感などがある場合は速やかに受診してください。

百日咳

2025年の百日咳の週別報告数を示す折れ線グラフ。春先から増加し、6〜8月にかけて60〜75件の高いピークが続いた後、9月以降は急速に減少して冬季には10〜20件前後の水準で推移している。

百日咳は、長引くから咳を特徴とし、2025年に大規模な流行をきたした呼吸器感染症です。

動向

  • 今週の報告数は10件で、前週(6件)から増加しました。
  • 短期的(4〜8週)には、10月以降に変動が始まり、直近2週で増加幅明瞭状態です。
  • 中期的(半年以内)には、7月74件のピークがあり、その後減少を経て現在の水準に至っています。
  • 長期的(1年)に見ると、4月以降は前週比の増加が連続しており、同様の推移が続く可能性があります。

ご家庭で気をつけたいこと

  • 数週間にわたり咳が長引く場合は百日咳の可能性もあるため、医療機関での受診を検討してください。
  • 咳による夜間の睡眠障害や、乳児への二次感染に特に注意が必要です。
  • ワクチン接種歴の確認や、未接種のお子さんには定期接種の機会を逃さないことが大切です。

臨床的特徴と受診の目安

  • 百日咳は「カタル期」「痙咳期」「回復期」を経過する呼吸器感染症です。特に乳児では無呼吸発作を起こす危険があります。
  • 咳発作は夜間に強く、嘔吐を伴うこともあります。
  • 乳児、高齢者、持病のある方は重症化リスクが高いため、早めの受診が推奨されます。

特に、以下に該当する場合は積極的に受診を御検討下さい。

  • 連続する短い咳に続けて、息を吸うときに「ヒュー」と音がする
  • 周囲に百日咳と診断された人やしつこい咳の人がいる
  • しつこい咳が続く乳幼児の同居者

水痘

水痘は、「みずぼうそう」の俗称で知られる、頭皮から脚まで全身性に水疱を伴う皮疹を生ずるウイルス感染症です。

動向

  • 今週の報告数は 12件 で、前週(4件)から増加しました。
  • 短期的(過去6週)には、9月以降10件前後で推移していましたが、10月下旬に小さな増加がみられています。
  • 中期的には、2025年初頭にやや多く、春以降は低水準で推移していましたが、秋に入ってから散発的な増加が繰り返されています
  • 今後もしばらくは小規模な発生が続く可能性がありますが、現時点では大きな流行兆候はみられません。