芦屋市近隣感染症情報(10/17)

兵庫県感染症情報センターからリリースされている週報から芦屋市西宮市神戸市の情報をピックアップして集計したものを若干のコメントをつけて配信しています。

手足口病とCOVID-19の縦軸は右である点にご留意ください。

手足口病

手足口病は4週間前から発表される感染症データの中で最多報告数となりました。
この数週間の動向からは頭打ちのようには思われます。

COVID-19

COVID-19は8月初旬をピークに報告数が減少し、概ね流行前の状態まで減って来ました。
着々と減少中ですが絶対数は多く、ニュースになっているマイコプラズマ肺炎の約13倍です。

新型コロナワクチン定期接種

新型コロナワクチンは2024/4/1から接種費用が自己負担となる任意接種に移行しました。
一方2024/10/1〜2025/1/31の期間において定期接種が実施中で、対象者は¥3,260で接種が受けられます

対象者の概要は以下の通りです。

  • 65歳以上の者
  • 60歳以上65歳未満の心臓・腎臓・呼吸器障害やヒHIVによる免疫の機能障害を有する者

当初ほどの発症予防効果は得難くなっていますが、最近では

  • 急性期の重症化・入院・死亡リスクの低減
  • 亜急性期〜慢性期のいわゆるコロナ後遺症(long COVID)のリスク低減

が重視されています。

マイコプラズマ肺炎

マイコプラズマ肺炎は穏やかな上昇トレンドが続いています。
2週連続で減少ですが、しばらく推移を見守る必要がありそうです。

東京都では報告数が過去最高になったことが報告され(「マイコプラズマ肺炎の報告数が過去最多となりました(東京都) 」)、ニュースにもなっています。

グラフの画像
マイコプラズマ肺炎定点報告数(東京都)

グラフ中の「2.80」は定点報告数という指標で、一医療機関あたりが一週間でその感染症だと診断した患者数のことです。
つまりこの場合、東京都の一医療機関が一週間でマイコプラズマ肺炎と診断する患者数が2.80人ということになります(最新データでは2.88人になりました)。

兵庫県の最新状況はというと、定点報告数は2.71で全国で9番目に多い報告数で、隣接する府県の中で大阪府の3.28に次ぐ2番目に多い多い報告数です。

兵庫県のマイコプラズマ肺炎 感染状況(NHK)

マイコプラズマ肺炎の流行はインフルエンザやCOVID-19などのそれが広範囲にまん延するのに対して局地的となる傾向があります。
例えば兵庫県内でも姫路市は12.00、加古川市が13.00と非常に高い数値を示す一方、西宮市や尼崎市は0といった具合です(芦屋市にはマイコプラズマ肺炎の定点報告医療機関がありません)。

クラスルームやオフィスルームなど、比較的限られた空間を共に過ごすような状況が感染リスクになると思われます。

溶連菌性咽頭炎

溶連菌性咽頭炎は2週間前まで3週連続上昇していましたが、一転して2週連続で減少しています。
中期的には減少傾向として良さそうですが、絶対数が多い状況で推移しています。

迅速検査だけで診断しにくいのが溶連菌性咽頭炎の難しさですが、強い喉の痛み・高熱が揃った時は受診されるのがいいでしょう。

インフルエンザ

先週比較的大きな増加幅を示したインフルエンザはそのまま加速度的な増加に至ることなく、若干の増加幅にとどまっています。

芦屋市内ではインフルエンザに関連していると思われる学級閉鎖も行われるようになっており、引き続き今後の動向に留意が必要です。

RSウイルス感染症

RSウイルス感染症も短期的な増減を繰り返しつつ、減少傾向を維持している様相です。