最初にまとめ
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本症の治療は薄着の季節のQOLを改善し、腋窩多汗症があってもなくても同様に過ごせる事を目的とします。
症状
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皮膚科領域となるのは限局性多汗症で、多汗を認める部位はわき(腋窩)・手のひら(掌蹠)・足の裏(足底)です。
わきのものは汗ジミの元になるなど、気になる方にとってはQOLにも関わるものとなります。
なお腋臭症…いわゆるワキガもわきの汗腺と関連した悩み事ですが腋臭症が関連するのはアポクリン汗腺、腋窩多汗症が関連するのはエクリン汗腺で起因する汗腺が異なります。
原因
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いくつかの研究から遺伝的傾向がある可能性が示唆されており、家族のどなたかにわき汗があれば他の家族にもわき汗がある可能性があります。
診断
診断基準・重症度
診断基準
重症度 HDSS
治療
治療推奨度について
抗コリン外用薬
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発汗するためには神経から汗腺にシグナルが伝えられる必要があります。
抗コリン外用薬は外用した薬剤が浸透して、神経からのシグナルの伝達を抑制して発汗を抑えます。
製剤にはゲル剤と1回分がウェットティッシュ状になっているワイプ剤の2種類があります。
副作用として、
- のどの乾き
- かすみ目
- 排尿障害
- 鼻の乾燥
- ドライアイ
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緑内障で通院中の方は主治医に「『抗コリン薬』の服用は可能か」を必ずご確認下さい。
塩化アルミニウム外用
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塩化アルミニウムなどが汗腺(汗管)を物理的に閉塞させることと、その結果汗腺の機能が消失することで発汗を抑えます。
副作用として、
- 刺激性接触性皮膚炎
A型ボツリヌス菌毒性製剤注射
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保険診療では斜頸や尖足などの神経筋疾患、自費診療ではいわゆるシワ取りなどで実績のある製剤です。
抗コリン外用薬と同様に神経からのシグナルを抑制して発汗を抑えます。