芦屋市で脂質異常症の診断・治療生活習慣病の管理・オンライン診療

脂質異常症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪のバランスが崩れた状態です。 自覚症状がないまま動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めることから「静かなる危険因子」とも呼ばれます。 なぜ治療が必要なのか、その理由をわかりやすく解説します。
  • 2025/01/31公開

脂質異常症とは|芦屋市での診断と治療ガイド

  • 脂質異常症は自覚症状がほとんどなく、知らぬ間に動脈硬化を進行させる病気です
  • 進行すると血管が狭く・詰まりやすくなり、脳梗塞・心筋梗塞・閉塞性動脈硬化症などのリスクが高まります
  • 適切な管理・治療は高まったリスクを低減することが知られています
  • リスクを最小限に抑え、健やかな日常を維持しましょう

脂質異常症の診断基準|LDLコレステロール値と管理基準

高LDLコレステロール血症

  • LDL-C 140mg/dL 以上

低HDLコレステロール血症

  • HDL-C 40mg/dL 未満

高中性脂肪血症

  • 空腹時TG 150mg/dL 以上
  • 随時TG 175mg/dL 以上

主な脂質評価指標

  • 脂質異常症の評価に重要な3つの指標を紹介します。
  • LDLコレステロール(LDL-C):「悪玉コレステロール」とも呼ばれ、動脈硬化の主要なリスク因子
  • HDLコレステロール(HDL-C):「善玉コレステロール」と呼ばれ、LDLの除去を助ける
  • トリグリセリド(TG, 中性脂肪):エネルギー源として使われる脂質の一種だが、過剰になると動脈硬化のリスクが上昇

脂質異常症の原因と生活習慣の影響|LDLコレステロールを増やす要因

  • 高血圧の原因には、加齢や遺伝など避けられない要因に加え、生活習慣や特定の疾患が関与します。
    これらのリスクを理解し、適切に管理することが重要です。

避けられない要因

  • 加齢
  • 遺伝的要因

生活習慣の影響

  • 不適切な食生活
  • 過度の飲酒
  • 運動不足
  • 肥満
  • 喫煙

特定の疾患

  • ネフローゼ症候群
  • 甲状腺機能亢進症
  • 糖尿病
  • 肝疾患
  • 甲状腺機能亢進症
  • 褐色細胞腫
  • クッシング症候群
  • 原発性アルドステロン症
  • 腎血管性高血圧
  • 睡眠時無呼吸症候群

加齢

  • 閉経後の女性はエストロゲン低下によりLDL-Cが上昇しやすくなります。
    男性は加齢によりHDL-Cが低下し、LDL-Cが上昇するリスクが高まります。

遺伝的要因

  • LDL受容体の遺伝的異常により、LDL-Cが著しく高くなる家族性高コレステロール血症(FH)という疾患があります。
    また、遺伝性疾患としてのFHではなくても、家族内に脂質異常症の人が多い場合(家族集積傾向)には、LDL-Cが高くなりやすいことが知られています。
    家族歴がある場合は、若いうちから定期的な脂質検査が推奨されます。

不適切な食生活

  • 飽和脂肪酸・トランス脂肪酸の過剰摂取、食物繊維不足がLDL-Cを上昇させます。
    卵や内臓系食品にはコレステロールが多く含まれることが知られていますが、近年の研究では摂取制限の重要性は低下しています。

過度の飲酒

  • アルコールの適量摂取はHDL-Cを増やしますが、過剰摂取は中性脂肪(TG)の上昇を招きます。

運動不足

  • 定期的な運動はLDL-Cを減らし、HDL-Cを増やす作用があります。
    特に有酸素運動は脂質代謝を改善し、糖代謝や血圧の調整にも関与するため、動脈硬化のリスク低減に有効です。

肥満

  • 内臓脂肪の蓄積はLDL-C上昇とHDL-C低下を引き起こします。

喫煙

  • 加齢:血管の柔軟性を低下させ、血圧を上昇させます。
  • 遺伝的要因:生活習慣に関わらず高血圧を発症しやすくなります。
  • 塩分の摂りすぎ:体内のナトリウムバランスを崩し、血圧を上昇させる主要因です。
  • 運動不足 肥満:血管の機能を低下させ、心臓への負担を増やします。
  • 睡眠時無呼吸症候群:夜間の低酸素状態が続き、自律神経を介して血圧が上昇します。
  • 喫煙はHDL-Cを低下させ、血管内皮機能を損ない、脂質異常を助長します。
    さらに、喫煙による酸化ストレスは動脈硬化を進行させる要因となります。
    その結果、喫煙者は非喫煙者に比べ、心筋梗塞・脳梗塞などの動脈硬化性疾患のリスクが大幅に上昇することが報告されています。

脂質異常症の合併症|アテローム性動脈硬化症のリスク

  • 脂質異常症(高LDLコレステロール血症)ではLDLコレステロールが血管壁に沈着し、アテローム性動脈硬化症の進行を促して血管の狭窄や血栓を生じやすくします。
    その結果、脳・心臓・腎臓・下肢の血流障害を招いて、生命に関わる重篤な疾患を引き起こします。

命に関わる合併症|脳卒中・心筋梗塞・大動脈解離

  • 脳梗塞・一過性脳虚血発作

心臓

  • 心筋梗塞・狭心症

大動脈

  • 大動脈瘤・大動脈解離
  • 甲状腺機能亢進症
  • 褐色細胞腫
  • クッシング症候群
  • 原発性アルドステロン症
  • 腎血管性高血圧
  • 睡眠時無呼吸症候群

生活の質を下げる合併症|腎障害・足の血流障害

腎臓

  • 腎動脈硬化症・慢性腎臓病(CKD)

下肢動脈

  • 下肢閉塞性動脈硬化症

命に関わる合併症

脳梗塞・一過性脳虚血発作

  • アテローム性動脈硬化が脳動脈に及ぶと、血流が低下し脳梗塞を発症するリスクが高まります。
    一過性脳虚血発作(TIA)は一過性の脳動脈の血流障害ですが、放置すると脳梗塞へ移行する可能性があります。

心筋梗塞・狭心症

  • 心臓の冠動脈のアテローム性動脈硬化が進行すると、心筋への血流が不足し、狭心症や心筋梗塞を引き起こします。
    特に急性心筋梗塞は、プラーク破綻による血栓形成が直接の原因となり、致命的なケースも少なくありません。

大動脈瘤・大動脈解離

  • 動脈硬化の進行により大動脈の壁が脆くなり、コブを生じて大動脈瘤を発症したり、壁の層が剥離して大動脈解離を発症しやすくなります。
    これらの大動脈疾患は破裂のリスクが高く、大動脈破裂は致死率が非常に高い疾患の一つです。

生活の質を下げる合併症

腎動脈硬化症・慢性腎臓病(CKD)

  • 腎動脈のアテローム性動脈硬化により腎血流が低下すると、腎機能が徐々に低下します。
    腎機能は進行すると透析が必要になり、数日毎の通院が必要になります。

下肢閉塞性動脈硬化症

  • 下肢の動脈が狭窄すると、歩行時の痛み(間欠性跛行)が生じ、進行すると安静時でも痛みが持続するようになります。
    重症例では足の壊死や切断のリスクが高まります。

脂質異常症特有の合併症

家族性高コレステロール血症(FH)に伴う合併症

  • しばしばLDL-Cが若年時から高く、早期にアテローム性動脈硬化症が進行するため、20〜30代でも心筋梗塞を発症するリスクが高くなることが知られています。
    アキレス腱黄色腫や眼瞼黄色腫が診断の手がかりの一つとなります。

高TG血症に伴う膵炎

  • トリグリセリド(TG)が1,000mg/dLを超えると、急性膵炎のリスクが急激に増加します。
    重症化すると膵臓の壊死や多臓器不全に進行し、時に致死的な経過となります。

高LDLコレステロール血症とアルツハイマー病

  • 近年の研究で、LDL-Cが高いとアルツハイマー病のリスクが上昇する可能性が示唆されています。
    酸化LDLが脳内で慢性的な炎症を引き起こし、神経細胞の変性を促すと考えられています。

脂質異常症のリスク評価|リスクの高低を把握しましょう

  • リスク評価によって「低リスク」・「中リスク」・「高リスク」に分類します。
    また、既に動脈硬化性疾患の既往歴がある場合は「二次予防」という区分になります。

リスク評価のフローチャート

動脈硬化性疾患の既往歴

  • 冠動脈疾患
  • 脳梗塞
  •  
    1つでも
    あれば
  • 二次予防
  • 1つもなし

併存症の有無

  • 糖尿病
  • 慢性腎臓病(CKD)
  • 末梢動脈疾患
  •  
    1つでも
    あれば
  • 高リスク
  • 1つもなし

その他のリスク因子

  • 性別
  • 収縮期血圧
  • 耐糖能異常
  • LDL-C値
  • HDL-C値
  • 喫煙
  •  
    スコア化
    して分類
  • 低リスク
  • 中リスク
  • 高リスク

その他のリスク因子のスコア化とリスク分類について

  • ① 以下の6項目について該当するものをチェックし、各点を合計してスコア化します。
  • 性別
  • ポイント
  • 女性
  • 男性
  • 0
  • 7
  • 収縮期血圧
  • ポイント
  • <120mmHg
  • 120〜129mmHg
  • 130〜139mmHg
  • 140〜159mmHg
  • 160mmHg〜
  • 0
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 糖代謝異常
  • ポイント
  • なし
  • あり
  • 0
  • 1
  • LDL-C
  • ポイント
  • <120mg/dL
  • 120〜139mg/dL
  • 140〜159mg/dL
  • 160mg/dL〜
  • 0
  • 1
  • 2
  • 3
  • HDL-C
  • ポイント
  • 60mg/dL〜
  • 40〜59mg/dL
  • <40mg/dL
  • 0
  • 1
  • 2
  • 喫煙
  • ポイント
  • なし
  • あり
  • 0
  • 2
  • ② 年齢とスコアからリスク分類が決定します
  • 低リスク
  • 40〜49歳
  • 50〜59歳
  • 60〜69歳
  • 0〜12
  • 0 〜 7
  • 0 〜 1
  • 発症リスクは2%未満
  • 中リスク
  • 40〜49歳
  • 50〜59歳
  • 60〜69歳
  • 70〜79歳
  • 13以上
  • 8 〜18
  • 2 〜12
  • 0 〜 7
  • 発症リスクは2〜10%未満
  • 高リスク
  • 50〜59歳
  • 60〜69歳
  • 70〜79歳
  • 19以上
  • 13以上
  • 8 以上
  • 発症リスクは10%以上
  • ボックス内の「発症リスク」とは予測される10年間の動脈硬化性疾患の発症リスクです。
    これら低リスク・中リスク・高リスクは管理区分とも言います。

脂質異常症の治療目標|生活習慣改善と脂質管理の薬

脂質異常症を治療する理由|合併症リスクを減らすため

  • 脂質異常症の治療は、合併症のリスクを減らすことが目的です。
    LDLコレステロールが高いと、アテローム性動脈硬化症が進行し、脳梗塞・心筋梗塞・末梢動脈疾患などの動脈硬化性疾患の発症リスクが上昇します。
    脂質を適切に管理することで、これらのリスクを大幅に下げられます。このため、早期からの治療が重要です。

脂質管理の目標値(LDL-C基準)

  • 前項の「脂質異常症のリスク評価」で算出された管理区分により目標とするLDL−C値が決まります。
治療方針の原則管理区分脂質管理目標値(mg/dL)
LDL-CNon-HDL-CTGHDL-C
一次予防低リスク<160<190<150(空腹時)
<175(随時)
≧40
中リスク<140<170
高リスク<120
<100*1
<150
<130*1
二次予防冠動脈疾患またはアテローム血栓性脳梗塞*3の既往<100
<70*2
<130
<100*2
*1:糖尿病において、PAD、細小血管症(網膜症、腎症、神経障害)合併時、または喫煙ありの場合に考慮する。
*2:「急性冠症候群」、「家族性高コレステロール血症」、「糖尿病」、「冠動脈疾患とアテローム血栓性脳梗塞(明らかなアテロームを伴うその他の脳梗塞を含む)」の4病態のいずれかを合併する場合に考慮する。
*3:頭蓋内外動脈の50%以上の狭窪、または弓部大動脈粥腫(最大肥厚4mm以上)

脂質異常症のための生活習慣改善|脂質異常症の予防と治療の基本

  • 脂質異常症の改善・治療には食事療法や運動療法といった非薬物的な「一般療法」と、薬物による「薬物療法」に分かれます。
    本項では一般療法についてご紹介します。

食事療法

  • 飽和脂肪酸・トランス脂肪酸の摂取を控え、地中海式食やDASH食を取り入れる
  • 食物繊維(野菜・海藻・豆類)を積極的に摂取し、脂質代謝を改善する

運動療法

  • 有酸素運動(ウォーキング・ジョギング・サイクリング)を週150分以上行うことが推奨される
  • 筋力トレーニングも補助的に取り入れ、脂質代謝とインスリン感受性を改善する

禁煙・アルコール管理

  • 喫煙はHDL-Cを低下させ、血管内皮機能を損なうため、禁煙が強く推奨される
  • アルコールは適量(1日あたり日本酒1合相当以内)ならHDL-Cを上昇させるが、過剰摂取はTG上昇を招くため注意が必要

食事療法(脂質バランスの見直し)

  • DASH食地中海式食を参考に、野菜・魚中心の食事を心がけるのがポイントです。
  • まごわやさしい」(豆・ごま・わかめ・野菜・魚・椎茸・芋)を意識する
  • 動物性脂肪を控え、植物性脂肪や魚の油を活用する(オリーブオイルえごま油など
  • 塩分は1日6g未満を目標にし、薄味を心がける(高血圧合併例では特に重要)

避けるべき食品

【飽和脂肪酸が多い食品】
脂身の多い肉
  • 脂身の多い肉
バター
  • バター・ラード
揚げ物
  • 揚げ物
【トランス脂肪酸を含む加工食品】
ショートニングを使った菓子類
  • ショートニングを使った菓子・パン類
【コレステロールを多く含む食品】
乳製品
  • 乳製品
鶏卵
  • 卵黄
魚卵
  • 魚卵
イカ・タコ・エビ・カニ・貝
  • イカ・タコ・エビ・貝

積極的に摂るべき食品

【不飽和脂肪酸が豊富な食品】
青魚
  • 青魚
ナッツ類
  • ナッツ類
不飽和酸が豊富な食物油
  • オリーブオイルなど
【食物繊維を多く含む食品】
  • 玄米
全粒粉パン
  • 全粒粉パン
海藻
  • 海藻
豆類
  • 豆類
野菜
  • 野菜
【大豆製品】
納豆
  • 納豆
豆腐
  • 豆腐
味噌
  • 味噌

運動療法(有酸素運動と筋トレの活用)

【有酸素運動】
ジョギング
  • ウォーキング(1日30分×5回/週)
  • ジョギング・サイクリング・水泳(1回20分×3回/週)
  • 階段の利用を増やす(1日10分程度)
【筋力トレーニング】
スクワット
  • スクワット・ランジ(下半身の大筋群を鍛える)
  • 腕立て伏せ・ダンベル運動(筋肉量を増やし基礎代謝を向上)
【筋力トレーニング】
帰宅中
  • 通勤時に一駅分歩く、買い物を徒歩にするなどの工夫を取り入れる
  • 座り時間を減らし、30分に1回は立ち上がって体を動かす
  • 「ながら運動」を取り入れ、テレビを見ながらストレッチを行う

禁煙・アルコール管理

【喫煙の影響】
タバコ
  • HDL-Cを低下させ、血管内皮機能を損なうため、禁煙が強く推奨される
  • 動脈硬化の進行を促す要因となるため、脂質異常症の治療では禁煙が重要
【アルコールの適量摂取とリスク】
ワイン
  • スクワット・ランジ(下半身の大筋群を鍛える)
  • 腕立て伏せ・ダンベル運動(筋肉量を増やし基礎代謝を向上)

脂質異常症の治療|生活習慣改善と脂質管理の薬

脂質異常症の治療法|生活習慣の改善と薬物療法の選択肢

薬物療法(主なもの)

分類LDL-CTGHDL-C薬剤例
スタチン(通常)↓〜↓↓→〜↓→〜↑プラバスタチン
シンバスタチン
フルバスタチン
ストロングスタチン↓↓↓→〜↓→〜↑アトルバスタチン
ピタバスタチン
ロスバスタチン
小腸コレステロール
トランスポーター阻害薬
↓↓エゼチミブ
フィブラート系薬↓↓↓↓↑↑ベザフィブラート
フェノフィブラート
クリノフィブラート
多価不飽和脂肪酸イコサペント酸エチル
オメガ-3脂肪酸
PCSK9阻害薬↓↓↓↓→〜↓→〜↑エボロクマブ
アリロクマブ
※ 陰イオン交換樹脂・ニコチン酸誘導体・プロブコール・MTP阻害薬など、プライマリ・ケア領域であまり使用しないものは割愛しています
  • 薬剤の使い分けはシンプルで、LDL-Cが高ければまずはスタチン類を開始し、必要に応じて小腸コレステロールトランスポーター阻害薬、PCSK9阻害薬を追加します。

    通常スタチン類で管理目標値を達成することが多く、一部で小腸コレステロールトランスポーター阻害薬の追加を要し、さらに限られたケースでPCSK9阻害薬を必要とします。

    TG 150mg/dL以上では生活習慣改善を優先し、必要に応じて薬物療法を考慮します。
    TG 500mg/dL以上では膵炎の発症リスクが高くなるため、薬物療法の適用優先度が高まります。
脂質異常症の治療ストラテジー
  • あなたに合った治療法を一緒に考えます

FAQ(よくある質問)

治療全般

脂質異常症とはどんな病気ですか?

  • 血液中の脂質(LDLコレステロール・HDLコレステロール・中性脂肪)のバランスが崩れる病気です。放置すると動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。

脂質異常症はどのくらいの頻度で検査すべきですか?

  • 基本的には年1回の健康診断で確認 するのが理想です。治療中の方やリスクが高い方は、医師の指示に従い 3~6ヶ月ごと に採血検査を行うことがあります。

自覚症状がないのに治療が必要なのはなぜですか?

  • 脂質異常症は「サイレントディジーズ(静かなる病気)」とも呼ばれ、症状がないまま進行します。
    気づかないうちに血管が詰まり、ある日突然、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすことがあるため、早期の管理が重要です。

生活習慣と予防

食事でコレステロールを下げることはできますか?

  • 可能ですが、食事だけで大きく下げるのは難しい場合があります。
    青魚(EPA・DHA)、ナッツ類(オメガ3脂肪酸)、大豆製品(大豆たんぱく質)、食物繊維を豊富に含む食品が推奨されます。
    一方で、飽和脂肪酸(揚げ物・バター・ラード)や過剰なトランス脂肪酸(古い油を使用した揚げ物・一部の加工食品)を避けることが推奨されます。

脂質異常症の人が摂るべき食品・避けるべき食品は?

  • 摂るべき食品:青魚(EPA・DHA)、ナッツ類(オメガ3脂肪酸)、オリーブオイル、大豆製品(大豆たんぱく質)、食物繊維が豊富な野菜・海藻・穀類
    避けるべき食品:飽和脂肪酸を多く含む食品(揚げ物・バター・ラード・内臓肉)、加工食品(揚げ菓子・スナック菓子)

脂質異常症に効果的な運動はありますか?

  • 有酸素運動(ウォーキング・水泳・サイクリング)が特に有効で、1回30分以上を週3〜5回が推奨されます。
    筋トレも併用することでHDLコレステロールの増加が期待できます。

治療と薬

スタチン(コレステロール低下薬)は一生飲み続けなければなりませんか?

  • 個人のリスクによります。
    生活習慣の改善により薬を減量・中止できることもありますが、心血管疾患のリスクが高い場合は継続が推奨されます。自己判断で中止せず、医師と相談しましょう。

スタチンの副作用にはどんなものがありますか?

  • まれに筋肉痛・倦怠感・肝機能障害がみられることがあります。
    ごく稀に横紋筋融解症という重篤な副作用があるため、強い筋肉痛が続く場合はすぐに受診してください。

脂質異常症の治療薬にはどんな種類がありますか?

  • 主に以下の薬があります(薬の選択は、患者のリスクや血液検査の結果によって決まります)。

    💊 スタチン:LDLコレステロールを低下させる第一選択薬
    💊 エゼチミブ:コレステロールの吸収を抑える薬(補助療法)
    💊 PCSK9阻害薬:高リスク例で使用する注射薬
    💊 フィブラート:中性脂肪(TG)が高い場合に使用

薬を飲まずに生活習慣だけで改善できますか?

  • 軽度の脂質異常症であれば可能ですが、数値が高い場合や動脈硬化のリスクが高い場合は、薬物療法が必要になります。

特殊なケース

脂質異常症は遺伝することがありますか?

  • はい、「家族性高コレステロール血症(FH)」など、遺伝的要因による脂質異常症もあります。
    FHの方は若年でも動脈硬化のリスクが高いため、早期診断・治療が重要です。

妊娠中や授乳中でも治療は必要ですか?

  • 妊娠中は基本的に薬物療法は推奨されませんが、生活習慣の管理が重要です。
    授乳中も同様に、スタチンなどの薬は控え、医師と相談の上で治療を検討します。

子供や若年者でも脂質異常症になることはありますか?

  • はい、特に遺伝性の脂質異常症(FH)では、子供や若年者でも発症することがあります。
    肥満や運動不足による脂質異常症も増えており、若年発症でも放置せず管理が必要です。
  • 診療についてのご相談は、お気軽にどうぞ