花粉症
-
症状が軽いうちは日常生活に大きな影響はありませんが、重症化すると睡眠障害や集中力の低下を引き起こし、仕事や学業のパフォーマンスを損なうことがあります。
また、喘息やアトピー性皮膚炎を持つ方は、花粉症によって症状が悪化することもあります。
治療薬の選択肢が多く、画一的な治療は満足度が低い結果になりがちです。
当クリニックでは一人ひとりの生活環境や症状に応じた最適な治療を提供し、日常生活の質が向上するよう心がけています。
- 本稿は原則的に「鼻アレルギー診療ガイドライン」に基づいて記載していますが、非医療者向けページとして学問的正確性よりも理解しやすさを優先した表現を用いています。
- 2025/02/21更新
最初にまとめ

原因
花粉症の原因
病態
感作(アレルギー反応の準備)
-
スギでは約50%の人が感作され、そのうち約50%の人が発症します。
感作
アレルギー反応
アレルギー反応

- LTs:ロイコトリエン
- PGD2:プロスタグランジンD2
- TXA2:トロンボキサンA2
症状
鼻の症状
目の症状
その他の症状
症状のポイント
重症度
鼻水・くしゃみの重症度
0回
1〜5回
6〜10回
11〜20回
21回以上
鼻づまりの重症度
鼻づまりなし
軽い鼻づまり/口呼吸はしない
強い鼻づまり/口呼吸は時々
非常に強い鼻づまり/口呼吸は頻繁に
1日中完全につまっている
治療
薬の種類 | 効果の目安 | 副作用 リスク | ||||
くしゃみ・鼻水 | 鼻づまり | 眼 | ||||
標準的 治療 | 内服薬 | 第2世代抗ヒスタミン薬 | ◯ | ◯ | ◯ | |
抗LTs薬 | ◯ | ◯ | ||||
抗PGD2・TXA2薬 | ◯ | ◯ | ||||
点鼻薬 | 鼻噴霧用ステロイド薬 | ◎ | ◎ | ◯ | ||
点眼薬 | 点眼用抗ヒスタミン薬 | ◯ | ◯ | |||
補助的 治療 | 内服薬 | 第2世代抗ヒスタミン薬・血管収縮薬配合剤 | ◯ | ◯ | ◯ | ▲ |
経口ステロイド薬 | ◎ | ◎ | ◎ | ▲ | ||
点鼻薬 | 点鼻用血管収縮薬 | ◎ | ▲ | |||
点眼薬 | 点眼用ステロイド薬 | ◎ | ▲ | |||
効果の目安 ◯: ◎: 副作用リスク ◯: ▲: | 有効 より有効 副作用リスクは低く、一般的な使用では問題になりにくい 副作用リスクはやや高く、適正な管理のもとで使用推奨 |
標準的な治療と補助的な治療
-
補助的治療は有効性と引き換えに副作用のリスクがあるため漫然とは行わず、医師による適正な副作用チェックの元での使用が推奨されます。
軽症の治療
中等症の治療
鼻水タイプ
鼻づまりタイプ①
鼻づまりタイプ②
鼻づまりタイプ③
結膜炎タイプ
重症・最重症の治療
-
鼻づまりタイプでは2週間程度の点鼻用血管収縮薬や、1週間程度の経口ステロイド薬の併用を検討することがあります。
点眼用ステロイド薬は眼圧上昇のリスクがあるため、眼科医によるチェックのもとでの仕様が推奨されます。
鼻水タイプ
鼻づまりタイプ
結膜炎タイプ
舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)
-
これまでの治療引き金が引かれて起こる各種症状を抑制しようとするものであるのに対して、舌下免疫療法は引き金を引かれにくくしようとするものです。
-
治療開始は花粉症シーズン後からで、翌シーズンには症状の改善を自覚される方もしばしば見受けられます。
具体的な用法は以下のようになっています。
- なお、現在薬剤の流通制限のため、新規開始は制限されています。2025年11月頃から流通制限が緩和される見込みです。
花粉対策
-
ライフスタイルに合った対策を取り入れてみましょう。
花粉飛散情報
-
外出時間や換気時間の調整に花粉飛散情報を有効活用ましょう。
花粉がつきにくい服装
FAQ(よくある質問)
花粉症かどうか自分で判断できますか?
-
進行の速さには個人差がありますが、基本的に対策をしなければ自然に改善することはほとんどありません。
いつから治療を始めるのが良いですか?
-
・症状が出始め次第
・花粉の飛散が始まり次第
といったあたりが主流になっており、以前提唱されていた「花粉シーズン前から」といった意見は古い見解になりつつあるようです。
市販薬と病院の薬は何が違いますか?
-
ただし症状にあった製品を的確に選ぶ必要があるのと、製品によっては副作用の観点から漫然と継続すべきではない成分が含まれているものもあり、薬剤の選択・副作用への配慮などの点からは受診&処方をお勧めしたいところです。
眠くならない薬はありますか?
-
眠くならない薬ほど効かないということもありません。
舌下免疫療法とはどんな治療ですか?
-
開始できるのはスギ花粉シーズンが終わってからなので、興味のある方はシーズン後にご相談ください。
WEB予約はできますか?
-
WEB予約は こちらから
花粉症の症状がひどくなるとどうなりますか?
-
また喘息やアトピー性皮膚炎の悪化にもつながることがあるため、適切な治療が重要です。